疲れた。あー疲れたな。何に疲れたって全部だ。朝の満員電車は元より、オッサンしかいない会社の景色とか、心の準備よりも前に決めないといけない先の予定とか、役所とか郵便局が平日昼間しか開いてないこととか……毎日にウンザリである。全てバックれて海に夕日でも見に行ったろか

そんなある日のこと。立ち食いそば屋に入ったら、海に沈む夕日が見れた。繰り返す。そば屋で海に沈む夕日を見た。あー夕日が目に染みやがるぜ。ワシ間違ってたかもしれへん。バカヤロォォォオオオ!

・タレコミ

私(中澤)が入った立ち食いそば屋の名前は『田(でん)そば』。小伝馬町のそば屋である。なぜ、ここに来たのかと言うと、以前の記事に寄せられた下記のようなコメントを見てのことである。

「はじめまして。本日登録、初コメントになります。以前から愛読してましたが、そばのお店で未だに出てないのでは?というのが不思議なほど名店があります。小伝馬町の田そばという店の花巻そばになります。トッピングするなら紅生姜の天ぷらが良いです。記事になっていたらすいません(原文ママ)」

──行ってません。というわけで、来てみたわけだ。鍵っ子さん、コメントありがとうございます!

・シンプルな立ち食いそば屋

入店してみると、小伝馬町「田そば」はシンプルな造りだった。どれくらいシンプルかと言うと、自動ドアを開けると目の前にカウンターが見えるくらいシンプルである。さっそく、オススメされている「花巻そば(税込400円)」と「紅生姜天(税込120円)」を注文。

・花巻そば

まずは、花巻そばを味わいたいので紅生姜天は別皿にしてもらった。それにしても驚いたのは香り。目の前に立っただけでも海苔の匂いが漂ってくる。顔を近づけてもいないのに圧倒的な香りである。ひと口食べてみると……

爆発する海苔の風味! 香ばしい味がそばとナイスバランスだ。さらに、つゆにはカツオ出汁がよくきいていて、海苔とのハーモニーは絶品! これはもはや海!! 舌が海を泳いでるみたいや

・紅生姜天ライドオン

これだけで最後まで食べたい気分になったが、せっかく注文したし紅生姜天も乗せてみよう。海苔の風味が負けそうだったため別皿で頼んだが果たして? 乗せてみたところ……

そこには海に沈む夕日があった。真っ赤な紅生姜天につゆがしみていく様子は、まるで海に溶け込む夕日のように美しかったのである。

ワシ……間違ってたかもしれへんな。いくらしんどいからって自暴自棄はあかん。しんどいのはみんな一緒なんや。明日はまた新しい自分。そうやってここまで来たやないか。紅生姜の尖った味が目に染みるぜ畜生。


空っぽになった胸を締め付ける……そんな味がした


520円で海に沈む夕日を感じられるこのそば屋。実際、海に沈む夕日を見に行くことを考えると、仕事もサボらなくて良いし、かなり高コスパと言えるだろう。毎日にウンザリしているサラリーマンこそ、この店で夕日に吠えろ! せーのっ! バカヤロォォォォオオオ!!

・今回紹介した店舗の情報

店名 田そば
住所 東京都中央区日本橋小伝馬町3-7
営業時間 月~金6:00~18:00
定休日 土、日、祝日

Report:立ち食いそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼「ゲソ天の良さが分からない人は千葉市川『鈴家』に行くべき / 立ち食いそば放浪記:第139回」に書き込まれた情報から行ってみました。オススメ立ち食いそば屋の情報お待ちしております!

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