ローストビーフ丼が一世を風靡したのは、いまから5年も前のことだ。当時、神戸の名店レッドロックが東京進出を果たし、それから2~3年の間、ブームが続いた。しかし現在はどちらかといえば下火。以前は目新しさもあったのだが、最近ではどこでも容易にローストビーフ丼を食べることができる。
もう時代じゃないのかも……と思いきや! 東京・吉祥寺に、ありそうでなかったローストビーフ丼の専門店がオープンしていた。そのお店「肉ドレス海鮮丼 本店」は店名の通り、肉と海鮮を組み合わせた丼ぶりを提供しているとのこと。一体どんな料理なのか。実際に食べてみたよ!
・1月にオープン
このお店はもともと「吉祥寺 絹」という名前の和食店だったそうだ。黒毛和牛肉ドレス海鮮丼がランチで好評だったことから、専門店として2019年1月にリニューアルオープンしたのだとか。
店前の看板を見てみると、なるほど! これが肉ドレス丼か。一般的なローストビーフ丼にウニやイクラを合わせたぜい沢な料理。ウニと肉の相性は良いはず。なのになぜ、いままでこのメニューを売りにするお店はなかったのか。まさに目からウロコだ。店内に入ってメニューを見れば、これ1本で勝負していることがわかる。
レギュラーは1600円。オプションとしてウニ・イクラ・ご飯の増量が可能だ。今回は、ウニ3倍盛り(500円)に牛煮込み(300円)、ご飯少な目(50円引き)で注文した。
・1600円は妥当
待つこと約5分。登場したのが……
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表の写真と多少見た目は違うけど、肉とウニ、そしてイクラのコントラストは非常に美しい。レギュラーサイズ1600円なら妥当といったところだろうか。
しかしながら、食べる前の段階で、正直なところこう思っていた。「どうせご飯で高さを出してるんでしょ?」と。食べてみて、その予想が裏切られることになる。
・肉の下に隠されていたモノ
さて、お店のオススメの食べ方はまず最初に、卓上の岩塩を振りかけて肉を食す。次に小皿にしょう油を入れてワサビをとき、それをかけて食す。最後に、残したご飯に出汁をかけて、ひつまぶし風にして食す。
まずは、塩をかけて肉を食う。
肉の見た目は表の写真と多少違うが、味はしっかりとしている。追加料金を払ってもいいから、肉を増量したい……。
この丼の本領発揮はここからだ。肉はあくまでもドレス。外側を飾っているに過ぎない。スプーンをてっぺんから豪快につっこむと、ウニの真下にはご飯ではないモノがいた! これは何だ!?
そこにいたのは、半熟たまごだ! まさかたまごを隠していたとは!! それだけでも十分な驚きだったのだが、実はこのたまご……!
トロたくをまとっている! 肉の上にウニとイクラを乗せただけではなかった。これはちょっと予想外。ご飯で高さを出してるなんて考えてしまってゴメンね!
・まるでロックフェス
ローストビーフとウニとイクラ。この3種の食材が織りなす味のマリアージュは、さながらロックフェスのようだ。日本人アーティストだけでなく、外国人アーティストまで同じステージに立っている。そのさまをフィールドに寝っ転がりながら眺めているよう。
この3種で軽いセッションを行っていたら、たまごとトロたくが飛び入り参加。マジかよ! 激アツじゃねえか。今年もこれて良かった~。なんて感慨に浸っていたら、さらにアツい展開が待っていた。ここから夢のひつまぶしタイムである。
おまけのつもりで注文しておいた、牛煮込みをご飯に乗せて、その上から熱い出汁をかけると、やや海鮮系が押し気味だったフィールド(丼)が、一気に肉々しくなった! さっきまでロック調の展開だったのに、サポートギタリストが参加したら、全体がブルージーになった感じ! カッケエ!
まるで味のフジロックや~!!
すでにローストビーフ丼の時代は終わったのかもしれない。しかし、この丼のようにひそかに新しい形に進化しているものも存在する。海鮮丼とのフュージョン(融合)丼がこれからの時代をけん引していくのかもしれない……。
・今回訪問した店舗の情報
店名 肉ドレス海鮮丼 本店
住所 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-24-6 福助ビル2F
営業時間 11:00〜15:00 / 17:00〜22:00
定休日 なし
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24