不気味な動きでお馴染みのロボット企業といえば、ボストン・ダイナミクス社である。同社は2017年11月に、より洗練されたキモい動きをする犬型ロボット「Spotmini(スポットミニ)」の新型を発表した。
このロボット、今後は意外な場所で見かけることになるかも。というのも、同社を買収したソフトバンクと大手建設会社の竹中工務店はこの6月に建設現場での実証実験を行ったという。え! 工事現場で運用することになるの? こんなのが現場を大量に這いずり回ってるのを見たら、ちょっとビビるかも……。
・3社による実証実験
竹中工務店は次のように発表し、すでに現場での実証を行ったことを伝えている。
「株式会社竹中工務店と、ソフトバンクロボティクス株式会社およびソフトバンク株式会社の3社は、最先端のロボット技術を保有するBoston Dynamics社の四足歩行型ロボット「SpotMini」を世界に先駆けて建設現場で活用することを目指し、2018年6月に実証実験を実施しました。
実証実験では、作業所員の大幅な省人化や高効率化を目指して、建設現場における自律的な巡回による進捗管理や安全点検などの業務へのSpotMini活用の可能性を検証しました」(竹中工務店発表より)
・作業効率は上がるけど
作業員の省人化や効率化に関しては大いに期待できる。建築現場においては、セメントやコンクリートブロック、鉄筋や塗料などなど、数え上げればキリがないほどの資材を運搬しなければならない。しかも重量が重く不安定な足場の上を移動しながら運ぶのは、大変な危険が伴う。
その運搬作業だけでもロボットに任せることができれば、効率的かつ安全な作業を行うことができるはずだ。しかし!
・ロボット監視?
発表では「自律的な巡回による進捗管理や安全点検などの業務への活用」が言及されている。つまりは監督業務だ。まあ、あの不気味な動きをするSpotMiniに、1袋25キロもあるセメントを持たせることは難しいかも……。とはいえ、監督作業をするということは、『ロボット監視』による現場ということになるのか……。
もしも作業を怠けていたら、物陰からあの黄色い4本脚のバケモノが覗き見していたりするのか……。それならまだしも、ボストン・ダイナミクス社の二足歩行ロボット「Atlas(アトラス)」が走って追いかけてきたりしたら、マジでチビる……。
夜間作業中に暗闇からSpotminiとAtlasの2体がひょっこり姿をあらわしたりしたら、その現場から逃亡したくなるかもしれない。
・来年本格活用
ちなみに3社は、2019年夏に本格的な活用を目指しているそうだ。監督作業だけでなく、現場の職人さんたちの負担を少しでも担い、より効率的で安全な建築現場の実現に役立って欲しい。Pepperみたいなおしゃべりでなければ、なおヨシだ。
参照元:竹中工務店リリース、ボストン・ダイナミクス
執筆:佐藤英典
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