2018年5月16日に、『PUBG』のモバイル版がリリースされて以来、スマホ版の先駆者だった『荒野行動』はすっかり下火になった感がある。それもムリもない。PUBGは100人対戦バトルロイヤルゲームの元祖であり、事前期待がかなり高かったからだ。

そういえば、PUBGモバイルがリリースする直前に、面白い場面に遭遇したので、その思い出をお話したいと思う。そういう私(佐藤)もすでにPUBGばかりをプレイしているのが実際のところ。「荒野行動を卒業した」とは言わないまでも、ゲームを起動することはほとんどなくなった……。

・Xデー直前の出来事

あれはたしか荒野行動にとっての「Xデー」、つまりPUBGリリース日の直前だったと記憶している。スクリーンキャプチャの日付を見ると5月13日になっているから、本当にリリース日間際のことだった。


・映画館で劇をやる

あるプレイヤーがカスタムルームで、「劇をやるから映画館に集まって!」と呼びかけたのだ。映画館とは、「嵐の半島」マップの中央に位置するデパートの2階にある劇場型の施設だ。固定の座席があり、スクリーンがあるところを見ると、そこが映画館であることは間違いないだろう。

荒野行動はPUBGを模して作られたゲームである。「パクリ」と言われるのも、ある意味仕方のないことだろう。だが、アップデートを繰り返してゲームの要素が向上しているのも事実。たとえばこの施設にしても、プレイヤーを飽きさせないひとつの工夫であり、アバターの衣装にしても本当に一生懸命つくっていると感じられる。

そういう点は、もう少し評価されても良いのでは? と私は個人的に思っている。


・紳士淑女の集まり

話を戻そう。そう、劇をやるから集まれとの呼びかけに応じて、私は彼のつくったルームに入り、映画館へと足を運んだ。行ってみると、すでに多くのプレイヤーが入場して、席について待っている。

こういう奇抜なルームは荒れるケースが多く、すぐに殴り合いになることがほとんどだが、ここのメンバーは皆、行儀がよかった。紳士淑女の集まりといって良いほど、皆が礼儀正しく、無駄な争いをしていない。どこでもこうであって欲しいものだ。


・劇は始まったのか?

さて、私も着座して……。正確には椅子に座ることができないので、椅子の前でしゃがんで待っていた。

すると、何やら劇らしきものが始まったらしい。

これも正確には、その始まりのタイミングがわからなかったので、勝手に始まったと解釈した。その様を、一言で説明するとしたら……。


カオスだ。


誰もが這いずり回っている。

ただそれだけの場面。



もしやと思って端の方を見ると、やはりというべきか、殴り合いが始まっていた……。


私はそこでスマホの電源を静かに切った……。

今となっては良き思い出である。


状況は少し厳しく、先行きに不安もあるかもしれないが、荒野行動のさらなる進化を願ってやまない。

Report:佐藤英典
Screenshot:iOS「荒野行動