ロケットニュース24

【独占取材】日本うんこ学会を直撃! 会長の医師に「放送禁止」な質問をしたら「勇気づけられる回答」が返ってきた

2018年5月25日

いきなり下品な質問で気が引けるのだが、みなさんに1つお聞きしたい。あなたが小学生の頃、便意を催した時に「先生うんこ行ってきます!」と言えただろうか? おそらくだが、たとえ漏らす寸前になっても「そのひと言だけは言えなかった……」という人が多いのではないかと思う。

むしろ、小学生にとって「先生うんこ行ってきます!」は最も口に出しにくいセリフの1つと言えるかもしれない。そんな「先生うんこ行ってきます!」を、みんなが自然に言える社会を目指して活動している団体がある。──日本うんこ学会だ。

今回は、その日本うんこ学会の会長をつとめる医師に話を聞いてきたのでレポートしよう。ちなみに、以下には「うんこ」をはじめとする放送禁止用語が頻繁に登場するが、情報を正確にお伝えしなければいけないというメディアとしての使命から、伏せ字なしで掲載したい。

・日本うんこ学会とは?

ここで、「うんこ学会のことは知ってるよ」という人は、以下をスルスルっとすっ飛ばして、 “インタビュー” のところまで行ってもらえばOKだ。一方で、「日本うんこ学会って何だよ!?」という人もいることだろうから、同団体について簡単に説明しておこう。

名前に「うんこ」がついていることから色々と誤解している人もいるかもしれないが、すごくざっくり言うならば、日本うんこ学会は「うんこで病気を予防しよう!」という目的をもった非営利の任意団体だ。同団体のホームページにはこうある。


「我々のゴールは日本国民の大腸検診率を上げ、大腸癌の早期予防を促すことです。そのために必要な「うんこ観察」のハードルを下げることを最大の目標に現在活動をしています」


──どうだろうか? 何となく日本うんこ学会のイメージがつかめただろうか? さらにもう少しホームページから引用するならば……


エンターテイメント性をまず第一に考え、医療情報を提供していきたい。「健康が大事だ!病気は怖いんだ!」という健康の押し付けではなく、楽しい事をしているうちに、普段は全く興味を持てない医療情報に興味を持ってもらう活動をしたい。

簡単に言えば、「うんこを報告することが楽しい!」と思えるような活動を中心にしていきたいのです!!」


──とのことだ。うんこ学会についてもっと深く知って欲しいのだが、キリがないのでこれ以上の内容は同団体のホームページを参照して欲しい。前置きが長くなるのもアレだから、話を先に進めよう。

・日本うんこ学会を立ち上げたのは……

その日本うんこ学会の会長が、現役の医師でもある石井洋介先生。石井先生は10代の頃に潰瘍(かいよう)性大腸炎を患い、大腸を全摘出した経験を持つ。それから一念発起して外科医となり、その後に同団体を立ち上げるに至ったそうだ。

さらに、石井先生は腸内細菌を擬人化し萌キャラ化したソーシャルゲームアプリ『うんコレ』の開発プロジェクトを立ち上げる。なんでも、リリースまであと少しのところまで来ているそうだ。……さらっと書いたが、腸内細菌を美少女に擬人化したアプリを医師が手がけるって、それだけでもひと昔前は考えられないことではないだろうか?

──そんな活動をしている石井先生に質問したいことは尽きないのだが、私が最も聞きたかったのは、現役の医師が「うんこ学会を立ち上げる!」と言ったときの周囲の方々の反応だ。いくら目的が「大腸ガンの早期発見を促すため」とはいえ、『日本うんこ学会』というネーミングはあまりにもパンチが強い。

そのため、周囲から反対意見があっても不思議ではない気がする……。実際のところどうだったのだろうか? 話を聞いてみた。

・インタビュー


私:石井先生が日本うんこ学会を立ち上げる際、同僚の医師の方の反応はどんな感じだったのでしょう? 反対意見が多く、石井先生がそれを押し切る形で立ち上げられたのでしょうか? それとも、同僚の先生方も「行け行け〜」という感じだったのでしょうか?」


先生:「同世代の医師は理念に賛同してくれる人が多くて、まさに「行け行け!」という人が多かったですね。ただ、もう少し上の世代の先生方、たとえば院長先生とかからは怒られましたね(笑)」


私:「怒られたんですか(笑) まさか呼び出されたりとか……」


先生:「ええ、呼び出されましたね(笑)


私:「(笑)」


先生:「まあ、どこの世界でも世代間ギャップはありますから。攻めたことをやると、どうしても意識のギャップは出ちゃいますよね」


私:「たしかに……。ちなみに、日本うんこ学会にしろ、これからリリース予定のアプリ『うんコレ』にしろ、「うんこ」というド直球のワードをあえて使った理由というのは?」


先生:「たまたま聞いた話なんですけど、Twitterでバズるワードは「うんこ」と「おっぱい」だと。それが理由ですかね。まあ、どっちも放送禁止なんですが(笑)」


私:「(笑) では、たとえば乳がんの早期予防のための『日本おっぱい学会』を立ち上げられる予定などはあるのでしょうか?」


先生:「それも考えたことあるんですよ」


私:「あるんですか!」


先生:「ええ。とはいえ、私自身、大腸を摘出したセルフヒストリーもあって大腸の方が思い入れが強いですし、大腸ガンが専門だったので、まず大腸からやろうと」


私:「なるほど」


先生:「ただ、それ以外のコンテンツや他の疾患も、イベントなどで今後も取り上げることは考えています。その際、エンターテイメントを通して届けることを心がけてやっていくつもりです。そうすることで、病院に来る人以外にも情報が届きやすくなるんじゃないかと思いますので。エンターテイメント ファーストで行きたいですね」


──以上である。

いまだかつて、これほどまでに勇気づけられる うんこの話があっただろうか。これほどまでに「自分の信じた道を行くべき」という気持ちにさせられる うんこの話があっただろうか。

なにせ日本うんこ学会自体、石井先生が上の世代の医師からの反対意見を押し切らなければ生まれなかった団体なのだから。そんな石井先生の行動力とスピリッツは、何か新しいことを始めようとする全ての人にとって大いに参考になるのではないかと思う。

ちなみにロケットニュース24では、他にも色々と石井先生に質問しているから近日中にお届けしたい。お楽しみに!

協力:日本うんこ学会、石井洋介(Twitte @ishiichangdesu
参考リンク:うんコレ
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

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