言うまでもないことだが、「餃子の王将」は中華料理チェーンである。イタリアンでもフレンチでも和食でもなく、どう考えても中華だ。むしろ、日本における中華料理チェーンの代表格が「餃子の王将」と言える。
──なぜこんな当たり前のことを説明するのかというと、「餃子の王将」の一般的なイメージが変わりかねないメニューが、東日本エリア・西日本エリアで2018年5月1日から発売されたからだ。その名も『生姜の効いた豚焼き肉』! そ、それってまさか……
生姜焼き!?
いや、『生姜の効いた豚焼き肉』って、どう考えても生姜焼きでしょ! それともあれか、実は生姜焼きが中国発祥だったりするのだろうか?
・「生姜焼き=中華料理じゃない」説
生姜焼きが厳密に何料理なのかは知らないが、“日本の定食屋で出てくるメニュー” というイメージを持っている人は私だけではないはず。かといって和食かと言われると難しいところなのだが、中華ではない! ……たぶん。
Wikipediaにも「日本料理」と書いてある(2018年5月1日時点)。朝日新聞だって、豚肉の生姜焼きを日本料理として紹介している。さらに、日本ハムのホームページには「生姜焼きは銀座で誕生した」的な記載もある。
──ほらね、やっぱり。日本で広まった豚肉料理のルーツを調べると中国に辿り着くものが多いのかもしれないけれど、こと生姜焼きに関していえば日本発祥説が有力じゃなかろうか。なのに、なぜ中華料理チェーンの「餃子の王将」が生姜焼きを発売するのだろう?
・王将が独自のアレンジをしてる説
恐らくだが、餃子の王将が発売した『生姜の効いた豚焼き肉』は、王将独自のアレンジが施されているのだろう。定食屋で食べるあの味とはどこか違う風味に仕上がっているに違いない。だからこそメニュー名に “生姜焼き” と記載せず、『生姜の効いた豚焼き肉』となっているのではなかろうか。
そう思いながら店舗を訪れ、店員さんに「生姜の効いた豚焼き肉を1つ」と伝えると……思わぬ質問をされたのである。それは……
店員さん:「生姜焼きでよろしいですか?」
──マジか! 店員さん自らが、「生姜の効いた豚焼き肉=生姜焼き」と認めるとは!! 生姜焼きじゃないからこそ「餃子の王将」がわざわざ発売したのではないのかと思ってたのに……。まさか、私の推理が店に入って10秒ほどで砕け散るとは思わなかった。
・実際に食べてみた
とにかく、運ばれてきた『生姜の効いた豚焼き肉』を食べてみる。味はどこからどう考えても定食屋さんで出てくるアレだ。やや甘めに仕上げられたタレと豚肉の相性は最高で、白米のお代わり必至。味は文句ナシにウマい。が……
食べれば食べるほど「これ、生姜焼きやん」という思いが大きくなっていく。そして同時に、「そんな細かいことを気にしないのが王将らしい」という気さえしてくる。つまり、1周回って王将らしいメニューというべきか。
──餃子の王将が、なぜ生姜焼きを発売したのかは分からない。私が分かったのは、『生姜の効いた豚焼き肉』は、今年の5月いっぱいまでの期間限定メニューだということ。単品価格が税抜630円で、セットにも出来るということ。そして、味は文句ナシにウマイということだ。以上!
参照元:餃子の王将「生姜の効いた豚焼き肉」、Wikipedia、朝日新聞、日本ハム
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
▼創業50周年の感謝メニューらしいぞ!
\創業50周年感謝メニュー/
『生姜の効いた豚焼肉』5月限定★柔らかジューシーな国産豚肉に香り際立つ生姜ダレが絡み、食欲そそる一品です!#餃子の王将 #GYOZA_OHSHO pic.twitter.com/ZOaeId5n2T
— 餃子の王将 公式 (@Ohsho_campaign) May 1, 2018