仕事に遅刻したら迷惑をかけてしまうし、出勤日に目覚まし時計をセットしないという人は少ないだろう。アラームが鳴っても「あと5分だけ……」とナカナカ起きられないのに、目覚ましがなかったら遅刻してしまう可能性大だからだ。
では目覚まし時計がなかった時代に、人々は一体どうやって時間通りに起きていたのだろうか? その質問に答える動画によると、イギリスには「人を起こす仕事」が存在していたらしい。そして依頼人を起こす仕事に就いている人が、どうやって起きていたのかという謎も動画で明らかになっているぞ!
・目覚まし時計がない時代に存在していた仕事
海外サイト『Great Big Story』の公開した動画「Before Alarm Clocks, There Were ‘Knocker-Uppers’」に登場するリチャード・ジョーンズさん(ロンドンの歴史研究家)によると、イギリスで “人を起こす” 仕事に就いていた労働者は、“Knocker-Uppers:ノッカー・アッパー” と呼ばれていたのだとか。
「階上の人をノックする人」という意味になるが、ノッカー・アッパーは1800年代から1960年代まで存在していたようだ。それでは、どのようにノッカー・アッパーが依頼人を起こしていたのかというと……
・窓をトントン叩くノッカー・アッパー
なんと2階まで届く長い棒の先に鉤(かぎ)爪状にした針金を巻き付け、それを使って窓をトントン叩いていたのである。シンプルな方法だが、鉤爪で窓を引っかけば黒板をスクラッチするような「キィー」という音が出るため、かなり目覚まし効果が高かったようだ。
依頼人が窓際に姿を見せるまで、ノッカー・アッパーが窓を叩き続けていたのかという説明はなかったが、もしそうならば目覚まし時計よりも頼ることができそうである。目覚まし時計だとアラームを自分で止めた後に二度寝して、寝坊してしまう可能性があるからだ。
・誰がノッカー・アッパーを起こしていたの!?
工場で働く人が多い時代の起床時間は朝3時頃だったらしいため、目覚まし時計がない時代には不可欠な仕事だったに違いない。そして、朝3時に依頼人を起こさなければいけないノッカー・アッパーを、誰が起こしていたのか気にならないだろうか。
その点についてリチャードさんは、「資料によると、ノッカー・アッパーは仕事に行くまで寝ずに起きていたそうです。なかには朝早く起きられる体質の人もいたのかもしれません」と述べている。目覚まし時計がない時代でも、当時の人は知恵を絞って起きていたようだ。
▼「人を起こす仕事」を紹介する動画はこちら