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【禁煙】紙巻きタバコを加熱式タバコに変えたら「少しはマシ」なのか? 医者に聞いてみた

2018年3月12日

禁煙が続いている自分。タバコを吸わない生活。それはきっと素晴らしい。健康になることは言うまでもなく、お金だって節約できる。喫煙のために時間を無駄にすることもない。服が臭くなることもない。良いことだらけ。悪いことなんて1つもない。でも……「禁煙できない!」という人は少なくないはず。

かくいう私もその1人なのだが、私と同じように紙巻き派の場合、こう思ったりはしないだろうか。「IQOS(アイコス)とかglo(グロー)、もしくはPloom TECH(プルーム・テック)などの加熱式タバコに変えたら、少しはマシかな?」と。──その点について、現役の医師に意見を聞いてきたので以下でご紹介したい。

以前の記事で紹介しているので覚えている人もいるかもしれないが、つい最近、私は成功するかと思った禁煙が失敗に終わった。つまり、負け犬野郎である。喫煙歴は紙巻きタバコを15年以上といったところ。

そんな私の質問に答えてくれたのは、お茶の水循環器内科・院長の五十嵐健祐先生。質問と回答は以下の通りだ。


質問:単刀直入にお聞きしますが、加熱式タバコにしたら、禁煙に一歩前進と言えるでしょうか?

先生:「医者と言ってもいろいろな人がいるから、別の医者は別のことを言うかもしれない。特に完璧主義者の医者は、「加熱式タバコに変えただけでは意味ない」って言う人もいるかもしれないけれど、私は「禁煙に向けて一歩前進はした」とお話するようにしていますよ。

というのも、紙巻きタバコを吸っている人が本数を減らしたり、自分の体を考えて加熱式タバコに変えるってことは、本人の中に「もう少し健康にならなきゃ」という気持ち、煙草の害を減らそうということに少なからず関心があるからだと思います。そういう関心が生まれたってことは、行動変容の準備として捉えれば一歩前進良いことかなと思います


質問:加熱式タバコは、紙巻きタバコより「健康面で少しはマシ」なのでしょうか?

先生:「まず、今流行の加熱式タバコに関して簡単に説明しますと、あれは「有害物質を減らせばいい」という発想のもとに生まれたもので、タール0とか微量などとメーカーは主張してますが、基本的にニコチンは含まれています。なので、加熱式タバコにしたからといって、ニコチン依存症という根本的な問題が解決したわけではないですよ。

まあ、紙巻きに比べるとタール摂取量が少ないと言われているので、そこは紙巻きに比べるとマシなポイントかと思いますが、加熱式タバコも紙巻きタバコも吸わないに越したことがないのは間違いないです。理想は何も吸っていない状態です。

それから、加熱式タバコのメーカーの中には「有害物質が9割ほど減っている」などと謳(うた)っているところもありますが、それはあくまでメーカーの主張であって、本当にタールが減っているのかどうかを検証した科学的なデータ、長期の安全性のデータは無いのが現実です。その点も覚えておいた方がいいでしょうね」

──以上である。


ざっくりまとめると、加熱式タバコにしたからといってニコチン依存症という根本的な問題が解決できた訳ではないが、メンタル面では禁煙に前進していると言えるのではないか……とのことであった。

・気持ちが大事

やはり、「健康になりたい」という自分の気持ちが禁煙の基本だということか。裏を返せば、「健康になりたい」という気持ちが大事なワケで、禁煙に失敗した後に「どうせ一緒」と開き直りガンガン吸ってしまうのは最悪だということだろう。

ちなみに、先生は「ニコチン依存症を治すなら禁煙外来を利用するという手もあります」とアドバイスしてくれたことも記述しておこう。禁煙外来……いざとなれば、その手があるというのは心強い。それはそれで決して楽な道ではないんだろうけど。

協力:医療法人社団 お茶会お茶の水循環器内科
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

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