2011年3月11日から、7年の月日が経過した。あの日、あの時、あの瞬間のことを、多くの人が記憶に残していることだろう。被災地は着実に復興を続けているのだが、いまだに帰ることができず避難生活を続けている人たちも少なくない。

毎年、震災発生時刻の14時46分、東京・新宿アルタ前では大型ビジョンにメッセージが映し出されるのだが、今年は──。

・発生時刻から2分間

震災直後の数年は内閣府による追悼式典の様子がビジョンで放映され、多くの人が足を止めて黙祷を捧げていた。近年は1分間メッセージが流されるのみになっている。アルタ前の交差点はこの日 歩行者天国で、ほとんどの人がメッセージに気づくこともなく素通りしていたが、それでも足を止め、メッセージを見上げる人の姿が見受けられた。

今年もビジョンにあらわれた文言は、昨年一昨年と同じく、被災地の復興を願う内容だった。


「被災地の新たな再生を、強く願って 再生への新たな一歩を踏み出している被災地の皆さまのご健康をお祈り申し上げますとともに、三越伊勢丹グループとして、明るい未来のために力を合わせてまいります。 株式会社スタジオアルタ」


アルタ前広場の一角には、政治的なメッセージを訴える市民団体がマイクを使って何やら訴えていた。まるで自分たちが黙とうをとり仕切っているかの物言いは、はなはだ迷惑に感じられた。

・これからもメッセージを

震災から月日が経ち、そう遠くない未来に、震災を知らない世代が増えていくだろう。たとえビジョンを見上げる人が少なくなったとしても、慰霊に込めたメッセージと、震災の教訓をこのビジョンに映し続けて欲しい。改めて、震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24