突然だが、青春って何だと思う? 青春マンガはキラキラしてるけれど、私(中澤)の青春時代にキラキラしたものはほとんどなかった。したがって、私にとって青春は焦燥である。周りに溶け込めない焦り、普通にならなければいけない焦り。
岡崎京子の青春マンガ『リバーズ・エッジ』には、そんな “焦り” が詰め込まれているように思う。キラキラせずにただただ突き刺さる青春。実写映画化が発表されているこの作品の特報が、2017年11月10日に解禁された。これを見て原作ファンが思ったことを正直に述べたい。
・キャスト
ゲイの高校生・山田一郎を中心に、学校の内外でめまぐるしく変化していく人間関係を描く本作。実写映画版は、『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲監督で、2018年2月に全国公開が予定されている。キャストは、以下の通りだ。
山田一郎……吉沢亮
若草ハルナ……二階堂ふみ
観音崎……上杉柊平
吉川こずえ……SUMIRE
小山ルミ……土居志央梨
田島カンナ……森川葵
・特報は印象的なあのシーンから
高校生の青春ものらしい新進気鋭の俳優陣だ。『リバーズ・エッジ』というタイトル通り、原作では川沿いを歩くシーンが印象的に登場するのだが、公開された動画も、夜、大きな橋で一郎がハルナに「海の匂いがしない?」と聞くシーンから始まる。おお……このシーンかなり雰囲気あるな。
主役2人の醸し出すセンチメンタルな雰囲気は、マンガにかなり寄せてきている気がする。実写化は原作が強固であればあるほど難しいが、これはひょっとしたら名作かもしれない。
・注目のポイント
それとは別に、個人的に注目したいのが、田島カンナ役の森川葵さんだ。ゲイを隠すために、主人公が付き合っている女・田島カンナ。そのカンナに秘められた狂気をどこまでリアルに感じさせられるかで、この映画が名作にも茶番にもなると思う。
とにもかくにも、期待の実写化作品である『リバーズ・エッジ』。数少ないマンガ実写化の成功例になることができるのか。それは映画館で確認することにしよう。
参照元:リバーズ・エッジ
執筆:中澤星児
Photo:(C)2018映画「リバーズ・エッジ」製作委員会 / 岡崎京子・宝島社.
▼特報を見る限り、かなり雰囲気がある