これまでロケットニュースでは、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』や『アイアン・フィスト』といったNetflix系のオススメ海外ドラマを紹介してきたが、今回は、Amazonプライムで配信中の『アメリカン・ゴッズ』について触れてみたいと思う。
古い神と新しい神の戦いを描き、哲学的かつカルト的な要素満載で、強烈なインパクトを放つ傑作を見逃す術はないぞ!
・『アメリカン・ゴッズ』ってどんな作品!?
では、まずはネタばれになりすぎない程度に、本シリーズのストーリーを紹介することにしたい。
主人公は、刑務所を出所したばかりのシャドウ・ムーン。事故で急死した妻の葬儀に向かう途中、ウェンズデイと名乗る謎めいた男と出会い、彼の用心棒として働くことになった彼は、幻覚のようなものを目にするようになり、自分が不可思議な世界の中にいることに気づく。
実は、この謎めいたウェンズデイという男、古来から存在するオーディンという北欧の戦いの神で、新しい神々の台頭に恐れを抱いている古き神々を集めて、軍隊を結成して戦いを始めようと目論んでいたのだ。
・古き神々 V.S. 新しき神々
各エピソードの冒頭では、古くから存在する神々が、どのようにアメリカに渡って来たのかが語られるのだが、要は移民達が、母国の土着の神を新天地に連れて来たという設定である。
かつては信奉者に敬われていた神々。しかし時代の流れと共に人々の信仰心が薄れ、古き神々の力が進退していくことに……。すると、新しい神々が勢力を増して、古い神が滅ぼされかねない状況に追い込まれてしまったという訳だ。
・新しき神々とは!?
では、古き神々を追い込んでいる新しき神々は、一体どんな存在なのかという説明に入りたい。
劇中に登場する新しき神は、コンピューターの神様やテレビの女神といった、現代を象徴する存在だ。コンピューターやスマホ、メディアは宗教ではないが、人々が依存してしまうほどの中毒性があり、そこから得られる情報で洗脳されてしまうことだってある。
その観点から言えば、「スマホやメディアは新しい神と見なされる」ということになるのだが、現代世界が抱える問題を浮き彫りにしている点が「なかなか深いよなあ~」と考えさせられてしまう。
・カルト的なインパクトで異彩を放つ傑作!
そして、グイグイ引き込まれるストーリー展開だけでなく、注目すべきはその映像美! ダークで幻想的な世界を美しく描き出した本作は、カルト的なインパクトで異彩を放つところなど、デヴィッド・リンチ監督の傑作ドラマシリーズ『ツイン・ピークス』を彷彿とさせる。この手の作品が好きな人なら、絶対にハマってしまうこと間違いナシだ。
ちなみに『アメリカン・ゴッズ』は、ニール・ゲイマンの同名小説のドラマシリーズ化である。全米の批評家やファンからも高い評価を得ていて、日に日にシーズン2への期待が高まっている。Amazonプライムの会員はもちろんのこと、そうでない人も30日間無料お試しサービスなどを利用して、ぜひ『アメリカン・ゴッズ』の世界に浸ってほしいと思う。
参照元:Facebook @American Gods、American Gods Wiki(英語)
執筆:Nekolas