ロケットニュース24

何かと話題の「レゴランド」に行ってみてわかった良い点・悪い点

2017年6月12日

2017年4月1日、愛知県名古屋市にレゴのテーマパーク「レゴランドジャパン」がオープンした。オープン直後から何かと話題になっているこの施設。2020年を目途に「ジブリパーク」がオープンすることが発表され、早くも存続を不安視する声が上がっている。

実際はどうなのだろうか? 気になったので行ってみたところ、とても良いと思う点と、改善の必要を感じる悪い点が見えてきた。正直に感じたところをお伝えしたいと思う。

・名古屋の人でも行ってない

施設オープンから約2カ月が過ぎた。名古屋在住の知人に、行ってみたかどうかを尋ねると、「まだ行ってない」とのことだった。市街地から近いはずなのに、なぜ行ってみないのか? そう聞くと「だって、(料金が)高いんでしょ」とのこと。

この知人は実際に行った訳ではなく、噂を聞いて評価を鵜呑みにしているようだった。実際に体感してみないと、その価値はわからないと思うのだが……。

・名古屋駅から電車・徒歩で約30分

施設は、名古屋駅からあおなみ線1本で行ける。名古屋駅から金城ふ頭駅まで24分。そこから徒歩で約10分だ。

なお電車は日中15分に1本の頻度で運行している。レゴランドの営業時間は10時~17時。平日は火・水曜が休園日だ。15分に1本が多いのか少ないのか、週末は運行本数が少ないように思う。

・商業施設を抜けて

金城ふ頭駅から「ファニチャードーム」と「メイカーズピア」という2つの商業施設を抜けて、施設の入り口へと向かう。徒歩約10分の道のりは、商業施設を通り抜けていくので、割と退屈しない。途中のお店を覗きながら進んでいくと、アッという間に着く。

ただ、近づいても近づいてもなかなかそれらしきモノが見えてこない。ディズニーランドなら駅を出たところから、夢の国へ誘う何かが用意されているのだが。しかも入り口の目の前は工事中で巨大なクレーンが見えている。レゴランドは本当にこっちにあるのか?

工事現場の真横を通りすぎると……。

・工事現場の裏

あ、あった! 工事現場の前から、来場を盛り上げる演出が無かったから戸惑ったが、とにかく入り口に到着。まずはチケットを購入しないと。券売所を見てみると……たまたまなのかもしれないが、誰もいない。開園1時間後の11時なのに。

ちょっと寂しいけど、並ばなくてすぐにチケットを買って入場できるのは有難い。行列がスムーズってレベルじゃねえぞ!

中を覗いてみると、来園者の姿が見えた。おそらく開園と同時に来た人たちが、ゲートの向こうに大勢いるのだろう。そう信じたい……。中の様子については、次のページでお伝えしよう。

参考リンク:レゴランドディズニーランド
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

・おもちゃ箱

入ってすぐに感じたのは、ここは「おもちゃ箱」だということ。子ども部屋に大量のレゴブロックをひっくり返したように、たくさんのおもちゃで作り上げられた世界なのである。

・子どもの目線で

ディズニーと比べると、施設そのものもさることながら、すべてのサイズが小さいように感じられる。これはきっと、子どもの目線に立って施設設計されたからではないだろうか。もっとも高い建物は、施設中央にある「オブザベーションタワー」。高さは50メートルしかなく、施設前の工事現場に立っているクレーンよりも低い。

このオブザベーションタワーは展望タワーで、乗り込むと施設を一望できる。眼下には、日本の名所をレゴで再現した「ミニランド」が広がっている。

目を少し遠くにやれば、施設の端から端まで見渡せてしまう。おそらく、子どもの足で歩き回っても、施設を堪能できるサイズ感を目指したのではないだろうか。

・メインはミニランド

施設の中心にあるミニランドは大人でも見応え抜群だ。浅草寺や金閣寺、宮島(広島)や姫路城などの歴史ある建造物だけでなく、東京スカイツリーやナゴヤドーム、渋谷駅前スクランブル交差点やフジテレビ(お台場)などをレゴで忠実に再現している。

精巧に組み上げられたブロック作品はアートといっても過言ではないだろう。これはレゴでなければ出来ない芸術のひとつ。大人から子どもまで楽しめる、レゴランドのメインテーマだ。

・とにかくキレイ

オープンしたばかりなので、当たり前のことかもしれないが、とにかく施設内はキレイで清掃が行き届いている。目に見える範囲に、ゴミらしいゴミは一切落ちていない。これもまた子どもの目線に立って、清潔に保つ努力がされていると実感できる。

ただ、清掃に関連してひとつ気になったのが、喫煙所だ。施設内に喫煙所は1カ所しかない。灰皿がポツンと置いてあるだけで、パーテーションなどはなかった。これでは煙が漂い放題である。せっかくキレイにしているなら、せめてパーテーションで仕切るべきではないだろうか。

いっそ撤去してしまってもいいと思う。入場ゲート前に喫煙所を設けて、中は完全禁煙してもいいと思った。

・良い点

一通り施設内を歩き回って感じたのは、すべてが子どものために設計されていることだ。広すぎず狭すぎない。たとえ迷子が出ても、すぐに発見できるのではないかと思うくらい。早足で歩いたら、入り口から最奥まで10分以内にたどり着くだろう。

ミニ遊園地と呼ぶのがちょうど良いサイズ感で、清潔さが保たれている点も評価できる。

・悪い点

その一方で、入場料はやはり高いと感じてしまう。1DAYパス当日購入で大人6900円、子ども5300円は体感として高い。「ミニ遊園地なのにこの値段?」と思ってしまう。

それにもかかわらず、年間パスポートは猛烈に安い。大人が1万7300円で子どもは1万3300円だ。さらに入場日に年間パスを購入すると、その日の入場料の差額で年間パスが買えてしまう。つまり大人の場合、「1万7300円 - 6900円 = 1万400円」ということになる。ディズニーの2DAYパス(大人:1万3200円)よりもはるかに安い。

年間パスを買わせたい気持ちはわかるのだが、そう簡単に何度も来られない人にとっては、「年間パスはいらないから1DAYパスを安くしてよ」と思っても仕方がないことだろう。

施設としての魅力は十分にある。とくに子どもが楽しむのには、申し分ない。ディズニーにはない強みも持っているのに、価格設定がネックとなって、その魅力が広く知られていないのは非常に残念だ。今一度、価格設定を見直すべきではないだろうか。

参考リンク:レゴランド
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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