筆者は以前の記事で、「20分で作れる3700円の高音質スピーカー」についてお伝えしてきた。内容を簡単に説明すると、ペアで500円のスピーカーユニット(TOPTONE F77G98-6)と3200円のスピーカーボックス(FOSTEX P800-E)を組み合わせるだけでハイクオリティーなスピーカーが完成するというものだ。
今回は、その3700円の自作スピーカーの「スピーカーボックス」だけを換えてどこまで音が良くなるのかを試してみたので、結果をご報告したい。
・スピーカーボックスの価格は2個で約8400円
今回新たに購入したスピーカーボックスは、以前の記事で使用したものと同じメーカーであるFOSTEXの「M800-DB」という商品である。2017年1月26日時点のAmazonでの価格はペアで約8400円(税込4190円 / 1台)だ。
FOSTEXの情報によると、このM800-DBは「ダブルバスレフ」という方式を採用したスピーカーボックスとなっており、ワイドレンジで迫力の低音再生を実現。本格的なHi-Fi サウンドが楽しめるとのことだ。
しかし、以前ご紹介したペアで3200円のスピーカーボックスと比べるとその価格差は約2.6倍。果たして、スピーカーボックスをグレードの高いものに換えるだけでどれほど音が変わるのだろうか?
・いきなり問題発生
注文したスピーカーボックスが手元に届き、スピーカーユニットを組み換えようとしたところで、いきなり問題発生! スピーカーユニットに対してスピーカーボックスの穴が大きいため、隙間ができてしまうのだ。そこで筆者が用意したのは……
布テープである。スピーカーボックスの穴の周りに布テープを貼った後にスピーカーユニットを取り付けてみると……キターーーー!! 綺麗に穴が塞がって見た目もそれほど悪くない仕上がりとなった。
それでは、スピーカーが組み終わったところで音を出してみよう。スピーカーをアンプに繋ぎ、曲を再生してボリュームを上げると……スゲェェェエエエーーー! もの凄いパワフルなサウンドが聴こえてきたぞ!!
・音質をグラフにして検証
念の為、音質をグラフにして検証してみることに。まずは再度スピーカーボックスを3200円のものに換え、測定用の電子音をスピーカーで再生。iPhoneの音質測定アプリでその音質を計測する。
グラフの見方は、左が低音で右が高音。ゲージが上がるほどボリュームが出ているということだ。なお、グラフの40Hz(ヘルツ)から左側は床の振動などの環境ノイズなので無視していただきたい。
続いて、スピーカーユニットを8400円のスピーカーボックスに組み直して同じく音質を計測すると……
曲を聞いた時と同じく、グラフでもズシンとくる低音成分の125Hz以下が出ている結果に。スピーカーユニットやアンプは何一つ変わっていないのにスピーカーボックスだけでこんなにも差が出るとは驚きだ。
低音をあまり必要としない方や、価格とサイズを重視する方はむしろ3200円のスピーカーボックスの方が使い勝手がいいかもしれない。しかし何よりも高音質を求める方には、断然8400円のスピーカーボックスがオススメだ。さて、あなたはどちらがお好みだろうか?
参考リンク:秋月電子通商「F77G98-6」、FOSTEX「M800-DB」
Report:K.ナガハシ
Photo:Rocketnews24.
▼スピーカーボックス「P800-E」と「M800-DB」を組み替えてみる
▼「P800-E」からスピーカーユニットを外して……
▼「M800-DB」へ付けようとしたところ隙間が……
▼布テープを用意
▼穴を囲むように貼ると……
▼隙間が綺麗に塞がる
▼ネジを締めて完成!
▼驚くほどパワフルなサウンド
▼測定してグラフで見比べてみる
▼3200円の「P800-E」よりも……
▼8400円の「M800-DB」の方が低音がしっかり出ている結果に
▼高音質を求める方には「M800-DB」がオススメだ