以前に、「ハリウッドのアジア系俳優が、役を取るにはオリンピック選手並の努力が必要」だとの記事を取り上げたことがあった。日本アニメの実写版や、アジア映画のリメイクがハリウッドで製作されると、いつも白人俳優が主役を奪ってしまう。
そんななか、ディズニーアニメ映画『ムーラン』の実写版が製作されることとなり、「白人俳優を起用しないで」と、ネットで署名活動が大きく盛り上がっているというのだ!
・実写版『ムーラン』の主役も白人俳優に……!?
1998年に公開された『ムーラン』は、中国で2000年にわたり語り継がれていきた、‟ムーラン伝説” を下敷きにしたアニメ映画だ。フン族に攻められた戦乱下の中国で、老いた父親に代わり、髪を切り名前をビンと変えた少女ムーランが、戦場で大活躍する姿が描かれる。
実写版を製作するソニー・ピクチャーズは、中国でのロケを予定しているというが、中国を舞台にした作品だけに出演俳優も中国人、もしくはアジア系が起用されるのが妥当なところだろう。現在ハリウッドでは、登場人物に多様性を持たせようと、有色系のキャラクターが増えつつあるが、それでも圧倒的に白人が有利なことに変わりはない。
・ネットで盛り上がりを見せる署名運動
実際に、日本の漫画『DEATH NOTE デスノート』と『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』のハリウッド実写版でも、主役を演じるのは白人俳優だ。
そんな背景もあり、実写版『ムーラン』のキャストに「白人俳優を配役しないで!」との署名運動が、2016年初めにスタート! 地味に始まった運動だったが徐々に署名数を増やし、現在では、9万人に膨れ上がるほどの盛り上がりを見せているという。
・子供達に間違ったメッセージを与えてしまう可能性が!
運動を始めたナタリー・モルナーさんは、「白人ばかりがヒーローを演じていたら、‟有色系の人々は英雄になれない” という、間違ったメッセージを子供達に与えてしまう」と語っている。
特に『ムーラン』は、中国で親しまれている伝説がもとになっているだけに、白人俳優を配役したら作品が台無しになるだけでなく、観客にも良い影響を与えないと主張している。
今のところ、ソニー・ピクチャーズから著名運動についてコメントはなく、キャスティングについても特に発表はないようだ。果たして、運動が功を奏してアジア系俳優が起用されることとなるのか、今後の展開に注目していきたい。
参照元:Facebook @Mulan、CARE2 PETITIONS、METRO(英語)
執筆:Nekolas