衣がカリッ、肉汁がジュワーッ……そのまま食べても、ご飯やパンと一緒でも、とにかくウマい料理といえば「からあげ」である。そして近頃、からあげのライバルとして取り上げられるものといえば、北海道の名物「ザンギ」だ。
しかし実際のところは、からあげとザンギは作り方が違うとか違わないとか、イマイチはっきりしていない様子。果たして両者に決定的な違いはあるのだろうか? そしてどちらがウマいのだろうか? からあげとザンギ、それぞれの有名店の料理をテイクアウトして食べ比べてみたのでご報告したい。
・「からあげ」と「ザンギ」について
はじめに『からあげ』について触れておこう。一般的にからあげは下味を付けた鶏肉に小麦粉や片栗粉などの粉をまぶして油で揚げた料理のことだ。
一方『ザンギ』もからあげと同じく鶏肉に粉をまぶして油で揚げたものを指し、一説によればからあげとの違いは、下味をつける際に醤油やショウガ、ニンニクなどで作った調味料にじっくり漬け込んでいるところだというが……。
しかし、よく調べるとからあげもザンギと同様、調味料にじっくり漬け込んで作るレシピは多く存在しており、両者を区別する明確な条件は存在していないのが現実のようだ。
・「布袋」のザンギと「からやま」のからあげを食べ比べ
となれば、これは実際に食べ比べて違いを確かめるしかない! ということで、筆者は札幌の有名店『布袋(ほてい)』のザンギと、関東を中心に10店舗のチェーン店を構えるからあげ専門店『からやま』のからあげを購入して同時に食べ比べることにした。
・価格の違い
価格はザンギ7個が税込570円、からあげ7個が税込893円。重量はザンギが412グラム、からあげが338グラムと明らかにザンギの方が重い。さらに、布袋のザンギは標準でタレが付属してくるのに対し、からやまのからあげはタレ付きにすると料金が加算されるシステム。コスパの高さでは圧倒的に布袋のザンギに軍杯が上がる。
・食感の違い
続いて食べて比べてみると、ザンギは若干しっとり柔らかく、からあげはカリッとクリスピー。どちらかといえば、食感に関してはからあげの方が歯ごたえがあって万人ウケするような気がした。ちなみに両者とも注文後に揚げたものをテイクアウトしているため調理後の条件は同じだ。
・味の違い
肝心の味はというと、ザンギは醤油と生姜の風味がほんのりと感じられ、タレを付けることが前提のためか単体だと味は薄めだ。一方、からあげはしっかりと塩味がついていてそのままでも十分にウマい。だがしかし!
ザンギはタレをつけると、これが絶品!! 酸味ひかえめの優しい甘酢タレがごはんを誘うようなメリハリの効いた味わいへと昇華させるのだ。
・食べ比べた結果
どちらがウマかったかというと……ほんのわずかに、からやまのからあげである! しかしあくまでも単体で食べた場合であり、ご飯と一緒に食べるならタレ付きの布袋のザンギ、さらにはコスパを重視した場合にも布袋のザンギがオススメ。総合的にみると互角といえよう。
今回食べたものはほんの一例に過ぎない。きっと全国に様々な特徴を持ったからあげやザンギが存在しているハズだ。その呼び方にこだわらず気楽に各地の味を楽しむのがイチバンである。
Report:K.ナガハシ
Photo:Rocketnews24.
▼関東地方を中心にチェーン展開している「からやま」
▼からやま「カリッともも 7個(税込893円)」
▼重量は338グラム
▼カリッとした食感と濃いめの味付けがウマい
▼札幌の有名店「布袋」
▼布袋「ザンギ 7個(税込570円)」
▼タレが付属
▼重量は412グラム
▼しっとり柔らかく醤油と生姜の風味が感じられる
▼タレとの組み合わせが絶品だ!