巨人軍は紳士たれ。そんな言葉が虚しく聞こえるほど、球界の盟主は地に落ちている。野球賭博問題は去年ですべて膿を出したと思いきや、今年に入って高木京介が関与していたことを告白。さらに「円陣声出し」も発覚したのは、巨人が始まりだった。
いいニュースが一向にない中で巨人ファンの望みは、原監督からバトンを引き継ぎ、新監督に就任した高橋由伸だろう。しかし、そう簡単に状態が好転しそうにないのが現在の巨人軍。今季、主力の顕著な衰えが足を引っ張る可能性が大きいのだ。
・昨季リーグ最低打率
まず心配なのは、昨季リーグ最低のチーム打率であった打撃陣だ。阿部、村田、坂本、長野といったように球界を代表する選手を揃えているにもかかわらず、打率・243とサッパリ。2年連続で3割を打ったバッターがいないのは、少しばかり異常だろう。
中でも阿部と村田の衰えは数字にも現れており、主力として起用していくのはチームのバランスを崩してしまいかねない。ベテランが貧打を解消することが一番だが、はたしてどうか。
明るい材料を挙げるならば、ロッテから守備職人のクルーズ、メジャーからは通算122本塁打、400打点のギャレットを獲得したこと。球団は貧打の打線を改善しようとはしている。
・ベテランの再奮起が望まれる先発
一方の投手陣。ビッグネームが揃うものの、昨季はエース・菅野をはじめ、内海、杉内、大竹と先発に物足りない成績の投手が多かった印象だ。こちらも野手同様、30代半ばの投手がどれだけ本来の調子を取り戻せるかにかかっている。
選手層は厚いため、苦しい台所事情とはならないだろうが、高木勇人、田口といった若手がどこまで活躍するかは未知数。また、マイコラス、ポレダもいるが、外国人枠の問題もある。いずれにせよ、ベテラン勢がチームの浮き沈みを左右しそうだ。
・高橋監督は非情な采配をできるのか
まだシーズンは始まっていないものの、今季の巨人は高橋監督の判断によって大きく変化することが予想される。勝利のためならばどんなことでもする。そんな非情な采配を昨季まで共にプレーしたベテランたちに対してできるならば、新たなチームが生まれるに違いない。
はたしてベテランは進退を問われるシーズンでどのようなプレーを見せるのか。そしてチームとしてファンの信頼、「GIANTS PRIDE」を取り戻せるのか。開幕は間もなく。その行方に注目したい。
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
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