全豪オープンのドーピング検査で、禁止薬物に対する陽性反応が出たことで出場資格を剥奪され、世界中をショックに陥れたマリア・シャラポワ。
大手企業3社とのスポンサー契約も打ち切られてしまい、彼女の選手生命が危ぶまれているが、あのライバルが激励の言葉を贈っていることがわかった。また、問題となった薬物、メルドニウムについての豆知識をもお伝えしたいと思う。
・メルドニウムってどんな薬なの!?
先日、全豪オープンのドーピング検査で、メルドニウムという薬物に陽性反応が出たため、シャラポワは滞在先のロサンゼルスで緊急記者会見行った。2006年から医師の処方のもと、メルドニウムを使用していたというシャラポワだが、一体どんな薬なのだろうか?
血流を促す抗虚血薬であるメルドニウムは、心臓疾患を患う患者に処方され、ロシアや東ヨーロッパでは広く使用されている。だが、アメリカやオーストラリアなどでは一般的ではないようだ。
メルドニウムには代謝を促進させる作用があり、ここ数年で、スポーツ選手の間で使用が広まっていると噂されていた。2015年に世界アンチ・ドーピング機関が同薬を要注意薬物のリストに載せ、2016年1月より「S4. ホルモン調節薬および代謝調節薬」として、禁止薬物に指定。
ちなみに、禁止される前の2014年ソチ冬季オリンピックでは、メルドニウムに陽性反応が出たロシア人選手数人が、金メダルを手にしている。
・大手企業3社とのスポンサー契約が打ち切りに!
シャラポワは、テニスプレイヤーとしての実力もさることながら、その美貌も大きく注目されてきた選手だ。それだけに、こぞって大手企業が広告塔として彼女を起用してきたが、ドーピング陽性の事実を受けて、ナイキとポルシェ、タグ・ホイヤーが、シャラポワとのスポンサー契約を打ち切っている。
・あのライバルが激励の言葉を!
そんな苦境に立たされたシャラポワに惜しみない激励の言葉を贈ったのが、ライバルの米テニスプレイヤー、セリーナ・ウィリアムズだ。
「マリアは、自分で犯した過ちの責任を取ろうとしています。大きな勇気を見せてくれた彼女は、いつも勇敢で今回も例外ではありません。同じ状況に立たされた人のベストを願いましょう」
と、これまで何度も試合で戦ってきた盟友として、シャラポワを応援するコメントを発している。
これまでに、シャラポワ以外のロシア人スポーツ選手もメルドニウムに陽性反応を示し、試合や大会への出場を断念している。ロシアのスポーツ界にとって大きな打撃となっているだけに、これからもメルドニウムに関する物議は続きそうだ。
参照元:Twitter @CNN、Times LIVE、Mashable、ABC News、E!Online(英語)、世界アンチドーピング機構
執筆:Nekolas
▼ドーピング陽性で、大手企業とのスポンサー契約を失ったシャラポワ
This is the drug that got Maria Sharapova suspended from tennis https://t.co/HxQcXBgBDY pic.twitter.com/kFW5dvRQ36
— CNN (@CNN) March 8, 2016