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どうしても外食が増えてしまう1人暮らし。夕飯を作るのも面倒くさいし今日もどっかの店で食べるか……そんな暮らしが5年目を迎えた頃、私(中澤)はとある特殊能力に目覚めた。その能力とは、個人経営の中華料理屋ならば一目見ただけでウマいかどうか見抜けるというものだった。

ある日のこと。残業で帰るのがかなり遅くなった。シャッターの下りた駅前を歩いていると、真っ暗な通りに煌々と光るモノが見える。近づいてみるとそれは中華料理屋だった。……しかし、おかしい。こんなところに店なんてあったか? 記憶をたどってみるが思い当たる節がない。ただ、私のレーダーはビンビンに反応していた。この店は絶対ウマいぞ

・目の前に広がる異世界のような風景

勇気を出して店に入ってみると、カウンターのみ10席ほどの店内一杯にお客さんがいた。突如現れた謎といい、この時間に大繁盛してることといい、なんだか時間軸の違う異世界に迷い込んでしまったようだ。ここの料理は神様の料理で、人間が食べたら豚になったりして……。そんな妄想が頭をよぎる。
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・おかしなメニュー

メニューは、ラーメンやチャーハンなど通常の中華メニューが基本だが、オムレツ定食やカレーライス、とんかつ定食、ハムエッグなど洋食屋を思わせるメニューもある。ますますおかしな店だ。そんな中、私の目を引いたのは「鳥唐揚ラーメン」。ラーメンに唐揚げ? そんな組み合わせ初めてだ。これ行くっきゃないだろ! と直感が告げる。

・グルーブするオヤジ

厨房でせわしなく動き回るオヤジさんに気をつかいながらも注文すると、「あいよ!」と威勢の良い返事が返ってきた。さっきから親父さんは常に3つほどのメニューを同時進行で作っているのだが、動きがとてもリズミカルだ。中華鍋を返す際に宙に舞うキャベツまでグルーブしている。味見をする動きも清流のように淀みない。見惚れるような手際の良さである。

・鳥唐揚ラーメン半端ない

その手際に夢中になっているうちに、「鳥唐揚ラーメン」が目の前に置かれた。ベースはみそラーメンのようで、濁ったスープから氷山のように4つの唐揚げが顔を出している。これは……デカい!! スープから持ち上げてみると子供の拳くらいのサイズがあった。これぞ氷山の一角。
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・“腕” を感じる本格派中華

まず、唐揚げを1口食べてみると、カリッカリに揚がった衣とどこまでも続く肉の奏でるジューシーなハーモニーに幸せすら感じる。スープは、あくまで “中華料理屋” の主張しすぎないみそスープという感じがして個人的にはどツボ。贅沢さはないが飽きない味である。そこに野菜炒めのような野菜が入っており、これがまた香ばしい。
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全体のバランスも絶妙で、食べてるうちに唐揚げにスープが染みて、食感は柔らかくなりみそ味がつく。その変化により最後まで飽きずにラーメンを楽しむことができる。神か!? ここのオヤジは神なのか!!
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・謎はすべて解けた

ふとメニューを見た時、この店になぜ見覚えがなかったのかが分かった。謎の鍵はメニューの端に書かれた営業時間。なんと、そこには21時~25時と書かれていた。飯時を全無視やないか!
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つまり、私が前を通る際、この店のシャッターはいつも閉まっていたのだ。開いてる状態を見たことがなかったため記憶から取り除かれていたのである。この町の裏ステージを見つけたような気分だった。
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その後、私は引っ越すまでの間この店に通い詰め、ほとんどのメニューを制覇した。オムレツ定食やカレーライスも含めてすべてのメニューがウマいのだが、特にオススメなのは焼肉定食と鳥唐揚定食。肉が嫌いでない限りこの2つには感動することだろう。

・今回紹介した店舗の情報

店名 喜楽
住所 東京都練馬区上石神井1-16-1
営業時間 21:00~25:00
定休日 日曜、月曜

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼神様のいる中華料理屋
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▼おかしなメニュー
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▼鳥唐揚ラーメン 900円
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▼氷山のような唐揚げ!
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▼マジウメェェェエエエ!!
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