いま野球は、オフシーズン真っ只中だが、2015年12月25日~27日の日程で、台湾で日台の高校生による交流試合が開催されているのをご存知だろうか?
その試合前の練習で日本のチームが見せたある行動が、台湾で話題になっている。よくスポーツは心を養うものだと言うが、日本の高校球児の精神に心を打たれているというのだ。
・日台高校野球交流プロジェクトでの一幕
交流試合には、台湾版甲子園「黒豹旗」の上位3校と、福井、山形、愛媛の各県の選抜チーム合計6チームが出場する。25日の第一試合に先駆け、24日に練習が行われた。
台湾メディアET Today によると、最後に練習を行った福井県選抜チームが練習終了後、ある行動に出たという。球場の清掃だ! 球児たちが掃除道具を手に、掃除を始めたのだ。
・日本の伝統と紹介される
もともと、主催者側は「黒豹旗」第3位の穀保家商高校の選手にグラウンド整備をするよう指示していたそう。しかし、福井チームもそれを積極的に手伝い、最後に整列し中国語で「謝謝!」と一礼したとのことである。
この一連の行動を、通訳として帯同した蔡鉦宇(さい・せいう)さんは、自身も八戸学院光星に留学していた経験を踏まえ、台湾メディアにこう話したそうだ。
「これが日本の高校の伝統です。たとえ台湾に来たって忘れることはありません。球場への敬意なんです」
・台湾ネットユーザーの声
この様子が報じられると、台湾ネットユーザーからは
「すごい! 見習いたい!!」
「映画『KANO』を思い出したね!」
「 日本のスポーツマンシップはマジでハンパないよ。素晴らしい!」
「この心は、野球をやっている人以外も見習うべき」
「単なる交流試合じゃないね。文化交流だわ」
「勝負は一時のことだし、永遠に勝ち続けるチームもいない。でもこのような品格は永遠だ!!」
「台湾の球場にも敬意を払ってくれてありがとう」
「単なるマナーというか、次に使う人のことを考えて、かつ自分たちが使わせてもらったことに感謝の気持ちも示しているのよ」
などと、台湾では試合開始から早速注目されていたぞ。
そんな温かなムードで迎えた25日の交流試合。残念ながら、第一試合「愛媛 vs 穀保家商」は雨のため中止になったそう。遅れて始まった第二試合「山形選抜 vs 平鎮高中」は2-2の引き分けに終わったとのことである。
27日までの3日間で、総当たり戦が行われる予定だ。この3日間で、どんなドラマが生まれるのだろう。楽しみである!
参照元:ET Today、自由時報(中国語)
執筆:沢井メグ
Photo:Wikimedia Commons