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2011年4月から6月までフジテレビの深夜帯に放送され、人気を博したアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』略して「あの花」。この作品は、私(中澤)にとってかなり印象深い作品だ。

最終回の深夜のテレビ放送をリアルタイムで見るために、自分のバンドの年末ライブの打ち上げをバックれたのは今となっては良い思い出だし、劇場版も観に行った。私の10年余りのアニメ道の中でも、指折りのフェイバリット作品の一つと言えるだろう。

そんな「あの花」の実写ドラマが話題になっている。実はアニメの実写ドラマ化には抵抗のある私。しかし「あの花」であれば、ひょっとしたら実写ドラマでも普通に面白いかもしれない。

・「実写ドラマでも面白いかも」と思う理由

「実写ドラマでも面白いかも……」と思うのには理由がある。なぜなら、ストーリーは、モロに現代の若者達の青春群像劇で、舞台も中世ヨーロッパなどではなく日本……しかも埼玉の秩父だからだ。では、なぜそんな「普通の作品」がアニメでもドラマでも話題になっているのか? その理由を説明したい。

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・ストーリー

高校には入学したが、引きこもりになった主人公 “じんたん” こと、宿海仁太(やどみ じんた)。彼は、小学校の時はアクティブでリーダーシップのある少年だった。ある日、彼の元に事故で死んでしまったはずの初恋の少女 “めんま” こと、本間芽衣子(ほんま めいこ)が現れる。めんまの出現をきっかけに、あの夏の日に止まってしまった時間が再び動き出す……。

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・主人公は引きこもりの駄目人間

主人公のじんたんは、夏も家にこもってゲームばかりの毎日。そして、かつて彼をリーダーとして集まっていた幼馴染グループの友達とは、もはや親交が途切れてしまっている。高校にも友達はいない。高校生にしてすでに駄目人間だ

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・リアルで共感できる一歩

そんなじんたんの前に、めんまが現れたことによって、じんたんは勇気を振り絞り、学校に登校しようと試みる。“一歩” 踏み出す。これは小さな一歩だが、物語中にはこういった大小様々なリアルで共感できる “一歩” が散りばめられているのだ。

・再び集まる幼馴染達

じんたんが一歩踏み出すことにより、かつての友達との関係にも変化が生じる。物語が進むにつれて徐々に明らかになっていく、過去のわだかまりやそれぞれの想い。そして、めんまが死んだあの夏の日のこと……。

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・成長の物語

登場人物それぞれがそれぞれの抱える問題を乗り越えたり、なんとか折り合いをつけたりしながら、前を向き進んでいく。生きていくことを決意する。結果として、斜に構えた私のような人間の心に響いたのは、そういった物語の芯にある「ド直球の成長」の部分だった。

この魅力は実写化でも失われないように思う。アニメの実写化がハッキリ言って嫌いな私だが、「あの花」……『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』だけはチャンスがあれば見てみたい。

参照元:フジTV『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。』HP
執筆:中澤星児

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