title

私(佐藤)は北陸新幹線の開通に先立って、東京から海路で金沢へと向かった。茨城県の大洗港から北海道・苫小牧に行き、そこから船を乗り継いで福井県敦賀に入って特急で金沢にたどり着いたのである。すでに記事でお伝えした通り、船旅は最高だ。めちゃくちゃ快適なのだ。

しかし目的地にたどり着くまで、猛烈に時間がかかる。北海道までの片道が19時間。快適な分だけ暇をもてあましてしまう。ネットも通じないし。そこで私は、ショートムービーの撮影を行って過ごしていた。これが思った以上に楽しくて、ひとりで撮影に奔走していた次第だ。

・不自由はしないが……

船上は基本的に不自由がない。レストランもしくは自販機があり、食べるものにも飲むものにも困らない。大浴場があるので、気が向けば風呂に入ることもできる。利用時間の間なら何回入浴しても問題ない。

・退屈なので撮影

しかしそれだけでは10時間以上を費やすことはできないので、私はカメラを持ってアチコチ撮影に回った。幸い、乗船している他の客はあまり出歩く人たちではなかったので、迷惑をかけることもなく、ひとりでウロチョロウロチョロ。

・シリアスになる

あまりにも撮影が楽しくなりすぎて、乗船中に映像を完成させるはずが、編集が間に合わなくなってしまい、今頃になってようやく完成した。題して『冬の日本海を舞台にするとどうでもいいことがシリアスになる』である。冷たい風の吹く船上、冬の日本海を映像に盛り込むと、どういう訳かやたらシリアスになることを証明したかった。狙い通り、かなりシリアスな作品に仕上がっていると思うのだが……。

フェリーに乗ったときには、ぜひショートムービーの撮影に挑戦していただきたい。マジメな話、クリエーターは想像力をかき立てられると思うので、大変おすすめだ。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼佐藤初監督作品『冬の日本海を舞台にするとどうでもいいことがシリアスになる』