今年も残すところ1カ月を切ったが、2014年のスマホ業界で最大のトピックスといえばiPhone6が発売されたことだろう。多くの人がiPhone6を楽しんでいるに違いない。だがしかし……。
私(筆者)のようにイマイチ機種変に踏み切れない人も多いハズ。いま使っているiPhone5に大した不満がないのだ、バッテリーがダメダメになっていること以外は……! そこで交換キットを購入し、自分でバッテリー交換をしてみたら、とんでもなくとんでもない結末になったのでご報告したい。
・機種変しない理由
イマイチiPhone6に乗りきれない主な理由はこうだ。先述したようにiPhone5に不満がないこと、そしてやはり大きいということ。いくら薄くても、あの大きさだと手が出しにくい。「iPhone5sに機種変しよう!」とも思ったが、思ったより値段は下がっていない。iPhone6より若干安い程度である。
機種変したい理由はただ一つ……。バッテリーが限界だということ。私の場合、充電の残りが20%にも行かない。30%あたりで完全に電源が落ちてしまうのだ。末期症状である。それ以外に全く不満はない……。バッテリーさえ生き返れば、まだまだiPhone5で行けるんや!
・バッテリー交換を調べてみた
そこでバッテリー交換について調べてみると、大きく2つの道があることが分かった。一つはバッテリー交換を依頼すること。Appleオフィシャルのメンテナンスショップでは、約9千円で交換が可能だ。混雑具合にもよるが、基本は即日対応。早ければ30分以内で終了することもあるらしい。
もう一つは自分で交換するというもの。ネット上には様々な交換キットが売られているが、約4千円で交換でき、しかも10分ほどで完了するという。中には「最速3分!」というものまであるぞ……! そんなに簡単なんですか!? だったら自分でやりまっせ!! というわけで交換キットを購入した。
・パンツ1枚で作業
パソコンやスマホは、静電気がピリッと走っただけでぶっ壊れるという。都市伝説かもしれないが、パソコン工場では静電気を発生させないため、全裸で組み立て作業をしているとも聞いたことがある。万が一のために、今回は私もパンツ1枚(パンイチ)で作業することにした。
まずは、専用のドライバーでネジを外していく。快調な滑り出しである。だがしかし……! 直後のフロントパネルの取り外しから始まる地獄のような展開をこのときはまだ知る由もなかったのである……!! 続きは2ページ目へGOだッ!!
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
【検証】iPhone5のバッテリーを自分で交換してみた / 10分で終わるハズが1時間半! 火花が4回も飛び散った末の衝撃結果とは……!!(その2)
・付属の「へら」が……
今回購入した交換キットには、バッテリーの他に、専用ドライバーと “へら” が付属している。この “へら” が曲者だったのだ……! 詳しくは画像を確認してほしいが、丸みを帯びた三角形のへらは、それぞれの角が使えるようになっている。つまり3個へらがあるということだ。
フロントパネルを外すには、このへらを使う。パネルと枠の隙間にねじ込み、テコの原理を使いながら徐々に隙間を空けるのだが……へらが柔らかすぎる! 隙間に入っても、あっさりと折れてしまう!! 気付けばフロントパネルが微動だにしていない! 試合開始3分後には、3つのへらが全滅してしまったッ!! ウソでしょ!?
・進まない作業
仕方なくピンを隙間にねじ込み、少しずつ少しずつパネルを開いていく。ようやくパネルを取り外した時点で、すでに30分ほどが経過していた。だが「ここまで来れば!」と気合いを入れ直し、コードを外していく。これは余裕。あとはバッテリーを交換するだけ……と思っていたのだが!!
説明書によるとスルッと外れるはずのバッテリーが、全然外れない! WHY!? どうやら本体とバッテリーは、接着剤でかなり強く貼り付けられているらしい。外すには、隙間の接着剤をカッターなどで少しずつ切り取らなくてはいけないという……。おい! 聞いてねーぞ!!
だがここまで来て諦めるわけにはいかない。というか、この状態じゃ使えないし! バッテリーを付け替えればあとは組み立てるだけ!! よし! と気合いを入れたのも束の間、ここからがまさに修羅場だったのだ……! 気になる結末は最終ページへGOだ!
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
【検証】iPhone5のバッテリーを自分で交換してみた / 10分で終わるハズが1時間半! 火花が4回も飛び散った末の衝撃結果とは……!!(その3)
・ついに……!
あいにくカッターがなかったので、ピンでひたすらバッテリーと本体の隙間の接着剤を削っていく……。かなり慎重に作業をしていたつもりだったのだが……バチバチッ!! とピンが触れたバッテリーから火花が飛び散った! ギャァァァァアアアーーー! オワタァァァアア!!
静電気でさえダメだというからパンイチで作業してるのに! 火花なんてアウトに決まってる!! ただ火元はバッテリーである……バッテリーは交換するので、もしかしたらまだ俺のiPhoneは生きてるかも! 頑張れ俺のiPhone5! まだ間に合う!! と思った瞬間ッ!!
パチパチッ!! と本体からも火花がトンダーーーーーー! しゅーーーーりょーーーーー!! ダメだ、本体からの火花は絶対にダメだ! ここからは作業が完全に荒くなり、その後もバッテリーから2度火花が飛んだ。合計4回のファイヤーであった。
・大どんでん返し!
ようやくバッテリーが外れたのは、作業開始から1時間以上経過してから。新しいバッテリーをつけて組み立てる。フロントパネルの取り付けに少々手間取ったが、そこまで難しくはない。「最速3分!」だったはずのバッテリー交換は、結局約1時間半で終了したのだ……。
サヨナラ、俺のiPhone5……今までありがとう。バックアップはしたからデータは復旧するハズだ。「明日iPhone5sにしよう」と決意し、一応電源を入れてみて目を疑った……! リンゴのマークが浮かんでる! 電源入った!! アップルの生命力やべええ! iPhoneは不死鳥!! iPhone is フェニックス!! テンキュー ジョブスッ!! GJ アッポォォオオッ!!!
電源が入っただけでなく、もちろん今まで通り使える。現在のところバッテリーも快調である。だが、ハッキリ言って自分でのバッテリー交換はオススメしない。多少値段が高くても依頼する方が精神衛生的に良いし、今回がたまたま奇跡だった可能性大である。
相当手先が器用だとか、パソコンの組み立てに慣れているとかでなければ、多少割高でも交換に出そう。それでも自分でバッテリー交換するという人は、それなりの覚悟を持って自己責任でお願いしたい。
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.