毎年夏になると、ある男性ファッションブランドのキャッチコピーが話題になる。そのブランドとは「VICE FAIRY」だ。同社の通販サイトでは、浴衣の売り文句に夏にふさわしくないような文言を使い、独自の世界観を表現しているのだ。まるでビジュアル系バンドの曲の歌詞のような鋭い言葉は、カッコいい! の一言に尽きる。
そんな同ブランドは、浴衣だけでなくほかの商品にまで、この切れ味鋭いキャッチコピーを採用していることが判明した。アンダーウェアの商品紹介ページを見ると、それが下着であることを忘れるようなエッジの効いた売り文句が並んでいるのである。カ、カッコいい……、マジでシビれるッ!
・VICE FAIRY、アンダーウェアのキャッチコピー
「すべてを魅了する純然たる魔性 僕を貫く愛の質量が地球の自転を遅くする」
「このトリガーを引いたら戻れない せつなく萌える魂を蝕むダークネス」
「我がCPUを襲うアルティメットペイン すべて無へと飛び去るがよい」
「神は何故、僕にばかり試練を与えるのか これ以上の僕に対する冒涜は許さない」
「いつ何時、誰とでも恋に落ちる だから人は僕を堕天使と呼ぶのかもしれない」(「VICE FAIRYより引用)
・徹底した美学
カッコいいッ! まさか下着にまでこの世界観を持ちだすとは。「魔性」、「ダークネス」、「神」、「堕天使」……、下着を売ってるとは到底思えないような尖りまくった言葉の数々。素材とか履き心地とか伝えても良さそうなものなのに、このページにはそんなもの一言も記されていない。徹底してその美学を追求している姿勢がたまらない。
・モモヒキやフンドシでトライして欲しい
しかも、浴衣の時のコピーよりもその世界観が進化して、より洗練されているように見える。VICE FAIRYがこのポエムに力を入れている証なのではないだろうか。浴衣、下着と来て、次は何にこの世界観を持ちだすのだろうか? できることなら、モモヒキとかチャンチャンコ、フンドシなどで美的センスあふれるキャッチコピーを展開してみて頂きたい。
参照元:VICE FAIRY
執筆:佐藤英典