2014年8月11日、世界中を悲しみで包んだ俳優ロビン・ウィリアムズさんの死。コメディアンとしても、俳優としても、その素晴らしい才能で世界中の人々を笑顔にしてきた彼だが、なんとNASAスペースシャトル搭乗員たちの “目覚まし係” を務めていたことがあるというのだ。
真っ暗な宇宙空間に浮かぶスペースシャトル・クルーを温かく励ましながら、朝を伝えるウィリアムズさんの声。今回は、その模様を収めた動画『Robin Williams STS-26 “Good Morning Discovery” wake-up call』が公開されたので、ここで紹介したい。
・NASAのウェイクアップ・コール
NASAには、宇宙で働くスタッフに “今日” が始まったことを伝える「ウェイクアップ・コール」と呼ばれるシステムが存在する。1972年の月面着陸ミッション「アポロ17号」以来、宇宙飛行士たちやその家族、管制塔のスタッフが選んだ曲で、宇宙飛行士たちは目を覚ましてきたのだ。
ちなみに日本人宇宙飛行士の「ウェイクアップ・コール」はというと、野口聡一さんはSMAPの『世界に一つだけの花』、若田光一さんはSonny and Cherの『I Got You Babe』だったという。
・ディスカバリー号に響いたウィリアムズさんの声
さて、ロビン・ウィリアムズさんが「ウェイクアップ・コール」として宇宙飛行士たちに朝の訪れを知らせたのは、1988年に打ち上げられディスカバリー号でのこと。以下が、彼が呼びかけた言葉だ。
「グーーーーッドモーニング、ディスカバリー号! さあ、早く目を覚まして、輝かしい1日を始めよう。今日もまたシャトルで元気に働く時間がやってきたよ。ではここで、地球にいる何十億人もの我々から君たち5人のスタッフにある曲をお届けしたい」
そんな言葉にのせて彼が宇宙に届けたのは、アメリカで1965年から放映されていたテレビ番組『Green Acres』(邦題は『農園天国』)のテーマ曲なのだった。
・映画『グッドモーニング、ベトナム』
お気づきの方も多いかと思うが、これは、彼の主演映画『グッドモーニング、ベトナム』を意識したしゃべり出しとなっている。ウィリアムズさん演じる陽気な DJ が、「グーッドモーニン、ヴィーエトナーム!」という掛け声とともにジョークやトーク、ロックミュージックなんかをラジオから流しては、戦場の兵士たちに勇気を与えたあの作品だ。
・悲しみにくれながらも、笑ってしまう
この動画が公開されるや否や、「彼が宇宙全体に広がっていきますように」などと、ウィリアムズさんの死を悼むコメントが殺到。彼はもうこの世にいないのだと、多くの人が戸惑いと悲しみの声をあげていた。
しかし、それと同時に「笑ってしまった」「笑顔になった」など、彼に力をもらった声も多かったところに、人々を笑顔にし続けた彼の偉大さがとてもよく表れていたのも確かだ。
今回、ウィリアムズさんが亡くなったことについて、彼の苦しみを想像しては悲しくなってしまう人も大勢いるかと思う。しかし、彼の残した数多くの作品を見ると涙ながらにもやはり笑顔になってしまうのである……。
参照元:You Tube、SPACE.com、NASA(英語)
執筆:小千谷サチ
▼NASAも「#RIPRobinWilliams」としてこの動画をツイート
"G-o-o-d morning, Discovery!" Robin Williams awakened a space shuttle crew in 1988: http://t.co/nDS0OBGgZq #RIPRobinWilliams @collectSPACE
— NASA (@NASA) August 12, 2014
▼これがテレビ番組『Green Acres』(農場天国)のテーマ曲
▼NASAのウェイクアップ・コールとして1番人気なのは『What a Wonderful World』なんだとか
https://www.youtube.com/watch?v=E2VCwBzGdPM
▼野口さんのウェイクアップ・コール『世界で一つだけの花』
https://www.youtube.com/watch?v=8_FVBpPi0lE