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今日2014年3月11日で、大地震と大津波により未曾有の被害をもたらした2011年3月11日の東日本大震災から3年が経つ。あの日以来、ネット上には様々な津波の動画がアップされ、多くの人がその恐ろしい光景を胸に刻んだ。だが、あまり知られていない映像も、まだまだ数多く存在する。

ということで今回ご紹介したいのは、東北地方整備局「震災伝承館」が公開している大変珍しい津波映像ファイル。その名も「壁のような津波が迫る」である。

・2本の動画が語る「壁のような津波」

動画「壁のような津波が迫る」シリーズは、撮影場所の違う2本の動画がアップされている。ひとつは岩手県の久慈港。もうひとつは岩手県の野田村。どちらの動画も震災伝承館のサイトからダウンロードで視聴可能だ。なお、許可をもらい動画を YouTube に転載したので、すぐに見たい人は YouTube版をチェックするとよいだろう。

・まさに「壁のような津波」

特に衝撃的なのは、野田村の動画である。説明欄には、「岩手県野田村の津波襲来時の映像です。津波が遡上している様子や引き波をカメラが捉えています。また第二波の映像も納められています。」と書かれている。

再生すると、まず映し出されるのは下安家地区(安家川河口)の映像だ。カメラが映し出したのは水平線……ではなく、津波である。タイトル通り、本当に壁のようになっている。まさに「壁のような津波」である。

・撮影者「よし、逃げろ!」

そして、カメラは「壁」にズームする。もしかしたら、水平線かも……という願いもむなしく、やはり本当に津波である。よく見ると、海水が壁のてっぺんに向かって上昇している。どう見ても津波だ。そして、このズーム映像を記録した次の瞬間!

「よし、逃げろ!」

撮影者は、すぐさま避難を決意した。その後は、安全な場所に避難してからの映像が続くが、家を飲み込み、街を飲み込み、見渡す限りが「海になっていく」ようすが映しだされている。その光景は、いま見ても、何度見ても、戦慄を覚える。

・二度と繰り返してはならぬ

ちなみに、東北地方整備局「震災伝承館」のサイトには、

「過去から繰り返す津波の悲劇と、その都度建てられた津波石。先祖の代から続く熱い願い。「二度と繰り返してはならぬ」 東日本大震災は、日本の甚大な津波災害を画像・映像等で克明に記録した初めての災害と言われています。

我々東北地方整備局も津波石を残した先祖達のように、同じ悲劇を繰り返さないことを願い、この被災経験・教訓を活かすための記録を作成しました。」(震災伝承館より引用)

──と冒頭に書かれている。また、今回紹介した動画の他にも、様々な動画が公開されている。もしかしたら、まだ見ぬ映像があるかもしれない。同じ悲劇を、二度と繰り返してはならぬ。

参照元:東北地方整備局「震災伝承館」
執筆:GO羽鳥

▼最初こそ「水平線」にも見える
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▼しかし、よく見ると……
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▼津波だ
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▼映像では、海水が上昇しているのが分かる
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▼まさに「壁のような津波」である
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▼壁のような津波が迫る(野田村)

▼壁のような津波が迫る(久慈港)

★オリジナル映像は東北地方整備局「震災伝承館」で視聴可能。