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突然ですが皆さん! 歴史はお好きですか? 「学生時代の授業で習ったきり」という人がほとんどかもしれませんね。しかし、歴史に詳しくない人でも織田信長・豊臣秀吉・徳川家康はご存じでしょう。今回は、彼らをあらわした有名な句を、現代女性の恋愛に当てはめて考えてみましょう。

・三人をあらわした句

この三人といえば、それぞれの性格的特徴をあらわしていると言われる次の句が有名です。

信長 「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」
秀吉 「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」
家康 「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」

これは肥前国平戸藩主松浦静山の作と言われています。これを恋愛に置き換えるとどうなるのでしょうか?

・「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」

織田信長の強引な性格を表した句です。その破天荒な生き様が人気の信長ですが、恋愛の場合はこのやり方だと間違いなく破局してしまうでしょう。彼氏がメールをくれない・会ってくれない・愛の言葉をささやいてくれないなどの悩みが湧いた際、「私はこんなに好きなのに、どうして構ってくれないの!」と包丁を振り回しても、彼氏をビビらせるだけです。

包丁を振り回す女性はほとんどいないでしょうが、要するに「ブチ切れてはいけませんよ」ということ。家臣・明智光秀の心が離れていったように、彼氏の心もノブナガな貴女からは離れていくでしょう。

・「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」

豊臣秀吉のアイディアマンな性格を表した句です。農民出身でありながら、その斬新な発想で手腕を発揮し、ついには天下人までのぼり詰めました。秀吉のやり方は、私たち現代女性も大いに見習うべきでしょう。どうしたら彼氏が構ってくれるのか、浮気をやめてくれるのかと策を練り、自分自身を磨く……。ブチ切れて包丁を振り回すよりもよっぽど建設的です。

ご注意頂きたいのは、愚かなアイディアは身を滅ぼすということ。信長の草履を懐に入れてあたためるなどの発想は良アイディアですが、自分にとって都合の悪くなった養子・秀次およびその妻子39名を処刑したのは愚かなアイディアです。この一件で人々の心は秀吉から離れていきました。

現代女性の場合なら、「彼氏のココロが自分に向くように楽しい会話を心がける」などは良アイディア、「彼氏のケータイチェックをして監視体制を厳しくする」は愚かなアイディアです。判断を間違えないようにしましょう。

・「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」

徳川家康の忍耐強さを表した句です。信長にも、農民出身の秀吉にも辛抱強く臣従し、最終的に天下を取ることができました。現代女性の恋愛も、なんだかんだでこのスタンスが一番良いような気がします。彼氏が構ってくれなくても、しょっちゅう合コンやエッチなお店に行っても、気長に待っていれば、やがては貴女の元に帰ってくるでしょう。特に、秀吉的な発想力がない女性は、愚かなアイディアで失敗するよりも、何もせずに黙って待っていたほうが無難です。

・「鳴かぬなら逃がしてしまえホトトギス」

以上を踏まえると、筆者のオススメは秀吉もしくは家康という結論に至ります。と思ったのですが、最後に前田利家バージョンもご紹介しましょう。「鳴かぬなら逃がしてしまえホトトギス」。天下取りに固執せず、家臣としての地位を確立させ、加賀百万石の礎を築いた前田利家の性格を表していますね。「天下統一は俺じゃなくてもいいじゃん」といったところでしょうか。

「天下取り」を「彼氏」に置き換えると、今の彼氏に固執せず、サクッと別れて(逃がして)新しい男性に目を向ける……、ということになりますね。秀吉バージョンも家康バージョンも性に合わない人は、利家バージョンを取り入れてみてはいかがでしょうか。

恋愛コラムニスト:菊池美佳子 Twitter / ブログ
Illust:Pyocotan