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大地震と大津波により未曾有の被害をもたらした2011年3月11日の東日本大震災。あの日以来、ネット上には様々な津波の動画がアップされ、多くの人がその恐ろしい光景を胸に刻んだ。だが、あまり知られていない映像も、まだまだ数多く存在する。

ということで今回ご紹介したいのは、東北地方整備局「震災伝承館」が公開している大変珍しい津波映像ファイル。その名も「貴重な空撮映像。地震直後と津波襲来」である。

・国土交通省防災ヘリ「みちのく」号が撮影

動画は震災伝承館のサイトで視聴可能。説明欄には、“国土交通省防災ヘリ「みちのく」号が、地震発生から37分後に仙台空港を飛び立ち、海岸部の津波の様子から水素爆発前の福島第一原子力発電所の様子までを捉えている貴重な映像。” と書かれている。

なお、許可をもらい動画を YouTube に転載したので、すぐに見たい人は YouTube版をチェックするとよいだろう。

・仙台空港が冠水する33分前に離陸

再生すると、まず映し出されるのは仙台空港から離陸するシーンである。時刻は15時23分。地震発生が14時46分なので、まさしく発生37分後の離陸である。ちなみに仙台空港は15時56分に津波が到達し、空港ならびに関連施設が冠水。33分遅かったら、離陸できていなかったと思われる。

・水素爆発前の福島第一原子力発電所の様子

その後は、上空からの仙台市のようすや、新幹線が停止している仙台駅、ついに津波が来襲した宮城野区荒井、冠水した仙台空港……など、続々と被災した場所のようすが映しだされている。なかでも注目なのが、「水素爆発前の福島第一原子力発電所の様子」である。

映像と共に記録されている音声では、「えー、そうですね……被害というか……塔、パイプライン等が破損している状況です」と伝えている。その言葉のとおり、津波の被害はあるものの、まだ爆発はしていない。ちなみに一号炉付近で水素ガス爆発が発生したのは翌日12日の15時36分。撮影した時点では、まさか水素爆発が発生するなんて思いもしなかったことだろう。

参照元:震災伝承館
執筆:GO羽鳥

▼こちらがYouTube版