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先日、とあるコンビニの店員さんがお店を辞めたと耳にした。コンビニの店員がお店を辞めることなんて、決して珍しいことではない。だがしかし、私(佐藤記者)をはじめ、当編集部のメンバーは彼女(Tさん)の退店をとても残念に思った。「もう、あの店に行く理由がなくなった……」とつぶやく者もいたくらいだ。

一体なぜ、Tさんの退店を嘆き悲しんだのか。その答えは、彼女の気配りが史上最強に素晴らしかったからにほかならない。今回は、そんな スーパーコンビニ店員 Tさんの伝説的なサービスについてお伝えしたい。

・ポイントカードの勧め方が素晴らしかった
「ポイントカードをお持ちですか?」と聞かれて、イライラする人も少なくないはず。私(佐藤)もその一人だ。何回「持ってません」と言っても、何回でも聞いてこられるのがうっとうしい。ところが Tさんはこう言って、カードの加入を勧めてくれたのだ。

「いつもご利用頂いてるのに、カードをお持ちでなかったんですね。カードを利用されないと、利用分を損されますよ。作りませんか?」

こんな風に言われたら、絶対に作ろうと思ってしまう。しかも、「いつもご利用頂いているのに」と言われれば、覚えてくれて有難いとさえ感じる。彼女の勧めでカードを作った。

・ポイントカードの使い方をさり気なく伝授
ポイントカードは作ってみたが、イマイチ使い方が分からなかった私(羽鳥)。そんな時も Tさんは神業的な気遣いを駆使し、実にさりげなく「使い方を伝授」してくれたのだ。たとえばお会計が1187円だったとき。私が1000円札を財布から取り出し、小銭選びに戸惑っていると……

「187円、ポイントでいっちゃいましょうかー!?」

と、謎の呪文を唱えたのである。なんだかよくからないまま「い、いっちゃってください」と答えると、「画面タッチお願いしまーす!」で、お会計は1000円のみ。この時はじめて、カード内に溜まったポイントで187円を支払えるということを知ったのだ。

・そろそろ痛み始めそうなバナナをレジで半額に
私(羽鳥)はバナナが大好きだ。Tさんのいるローソンには、おいしいバナナが売っている。3本くらい入っていて、価格はたしか258円くらいだったと記憶している。ごくたまに、鮮度の落ちたバナナが半額で売られているが、まだ半額シールの貼られていない258円バナナをレジに持って行くと……

「あ……これ……半額にしちゃいますねーッ!!」

と、電光石火の勢いで半額にしてくれたのであった。バナナを見れば、「あと少しで痛むか痛まないか」の微妙なところ。あと数時間で半額の鮮度。しかも購入者は、バナナ常連の私(羽鳥)……すべてを一瞬で判断し、先手を打っての半額だったのだ。すごい。すごい! さすが Tさんだ。

・銘柄をいう前にタバコを差し出す
2度、3度と同じ銘柄のタバコを購入していると、私(佐藤)の顔を見ただけで何を言うのか分かるようになるらしく、レジ前に立っただけで、

「マルボロメンソールライトのソフト?」

と銘柄を言い、タバコを差し出してくれるようになった。場合によっては、持ち合わせがあるのに、覚えてくれていたのが嬉しくで余分に買うこともあった。

・ボーナスポイントで安く買えることをさり気に伝授
俺の名前はエナジーマン。ほとんど毎日エナジードリンクを飲んでいる。その日もレッドブルだかモンスターエナジーを購入しようとしていたのだが、レジを打とうとした Tさんは突然……

「アッ! 今日、このドリンク安く買えます! ボーナスポイントで80円で買えるんです! Loppi でクーポン出して……今お時間ありますか? ある! やってみましょう! スミマセーン、レジお願いしまーす!」

と、自ら担当するレジを他のスタッフに託した。そして私を Loppi の前に案内し、Tさんは画面をいじくり始めた。ドリンクの安売りクーポンを一生懸命に探してくれたのである。しかし! 結局、ドリンクのクーポン券は限定数に達しており完売状態。

「すみません、すみません……」と何度も頭を下げる Tさんだったが、ボーナスポイントの存在をさり気なく教えるプロの技を見ただけで、私はエナジー全開となったのだった。エンナァジイイイィィィッッ!!

・メチャ細かいことまで覚えている
私(羽鳥)はエナジードリンク「モンスターエナジー」が大好きだ。200円で買える355mlのロング缶は最高である。そして、355mlのロング缶を飲む時には、必ず「長いストロー」を使っている。モンスターエナジーと長いストローは私の中でイコールなのだ。

よって、モンスターエナジーを買うときには、常に「長いストローもお願いします」と店員さんにリクエストしているのだが、Tさんは違う。それを言わずとも、「長いストローも入れておきますねーっ!」と、自動的に入れてくれるのである。これがプロフェッショナルの仕事である。

――最後に挨拶をしたとき、Tさんは「私はいなくなりますが、ここにいるスタッフたちを、今後ともよろしくお願いします!」と言っていた。彼らに Tさんスピリットが継承されていることを願いつつ、我々は今日もコンビニに行くのである。

執筆:佐藤GO羽鳥エナジーマン