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先日、美容院に行った際のことです。隣の席の女性客と男性美容師が、大変興味深い話をしていました。どうやら女性客には、意中の男性がいるらしいのですが、恋愛について意外な悩みを男性美容師に打ち明けていました。その悩みとは……。

女性客「デートの時、腕は組んでいるんですけど……」
男性美容師「それって超イイ感じじゃん」
女性客「でもね、まだ手は繋いでいないんですよ」
男性美容師「でも、腕は組んでいるんでしょ」

二人の会話があまりにも噛み合っていなかったので、思わず割って入りそうになりましたが、要するに、男性美容師の価値観は「手を繋ぐよりも、腕を組むほうが親密である」、女性客の価値観は、「腕を組むよりも、手を繋ぐほうが親密である」ということ。なるほど、面白い違いですよね。それぞれ、検証してみましょう。

・腕を組むほうが親密、その理由とは?
腕を組む間柄のほうが親密と考える男性美容師タイプの人の言い分は、「身体が密着する」という理由が大きいようです。確かに、腕を組むことで横チチや腰が触れ合いますから、密着度が高いという言い分には頷けます。性行為に発展する前の間柄でも、横チチや腰が触れ合うことで、一体感を堪能することが出来ますからね。

・腕を組む方がラク?
また、高身長の男性からは、「小柄な女性とは手を繋ぎにくいので、腕を組むほうがお互いにラク」という声も挙がっています。180センチ超えの男性が150センチの女性と並んで歩くことを想定すると、身長差は30センチ……。なるほど、納得させられますね。

・大人っぽい
そのほか、「腕を組んだほうが大人っぽい感じ」という意見もありました。そういえば、映画などのパーティーシーンを観ていると、男性が女性をエスコートする際は軽く腕を組んでいますよね。結婚式も、腕を組んで入場するのが一般的です。改まったシーンでしょっちゅう見かけるせいか、大人な関係という印象を受けるのでしょう。

・手を繋ぐほうが親密、その理由とは?
手を繋ぐ間柄のほうが親密と考える女性客タイプの人の言い分は、「双方の意志が一致したうえでの行為だから」とのこと。腕を組むことは、どちらか一方の意志でも組みやすいですが、手繋ぎはお互いを認め合った仲でなければできないという考え方です。

・女性は手を繋ぎたがっている
女性からの賛同が非常に多かったのですが、「腕のように掴まりやすくないからこそ、手繋ぎには価値がある」、「本当は手を繋ぎたいのに、拒まれるかもという不安感から、冗談っぽく腕に掴まることがある」という声が目立ちました。もちろん、男性陣にも手繋ぎ派は存在します。「指を動かしたり、握力に強弱をつけたりすることが楽しい」とのこと。

このように、人によって価値観が真っ二つに分かれるので、前述の美容院の女性客のように、意中のお相手が手を繋いでくれないからといって、しょんぼりすることはありません。お相手は、腕を組むほうが親密と考えている可能性もあるからです。その逆パターンもあるでしょう。

いずれにせよ、「腕を組む」も「手を繋ぐ」も、いけ好かないヤツとはしないでしょうから、「嫌われていない、むしろ好かれている証拠」と、ポジティブに捉えましょう。

恋愛コラムニスト:菊池美佳子 Twitter / ブログ
イラスト: マミヤ狂四郎