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近年、中東の民主化運動「アラブの春」で情勢が不安定化し、治安の悪化が問題視されているエジプト。首都カイロではアジア人を標的にしたナイフ強盗が横行しているという。現地に滞在している日本人の間で警戒を強める動きが高まっている。

実は外務省の海外安全ホームページには、2012年9月に「危険情報」が公開されているのだが、いまだに状況に変わりがないようだ。特に男性をターゲットにしたナイフ強盗事件が続出。具体的な手口は以下の通りだ。

強盗被害はこの一カ月間、日本人だけで数件確認されている。実際にはもっと多いのではないかと、指摘する人さえいるほどだ。全てに共通するのが、犯行は首都カイロ中心部の比較的人通りが多い場所、時間帯は昼間から夕方にかけて。

そして何よりも驚きなのは全て男性が被害者なのだ。被害者のなかには刺された人もおり、問題は深刻である。長年エジプトのリゾート地、ダハブでダイビングインストラクターをしている小野良弘さんの話によると、「以前はナイフ強盗など聞いた事なかった」と説明している。ここのところカイロでは、ナイフ強盗以外にもホテルの部屋から物がなくなるなど、観光客がターゲットになる被害が続発してる。

小野さんの見解では、理由の一つに「物価の上昇」が挙げられる。エジプトでは数年間で10パーセント近く物価が上がっており、庶民の生活が苦しいなかで犯罪に走る若者が増えているという。さらにエジプト人は誰でもポケットにナイフを忍ばせており、誰に対しても油断できない状況になっている。日本人は男性であっても一人での外出を絶対に控え、複数の人と一緒に動く事を強く勧めているとのことだ。

またナイフ強盗だけでなく、アジア人女性へのセクハラも横行している。記者(私)もエジプト滞在中、次のような話を聞いた。「(日本人女性が)道を歩いていると、突然胸をわしづかみにされた」や「お土産屋に入ると奥の部屋に案内され強姦未遂にあった」。さらに「夜行バスに乗ってると突然性器を触られた」など。

外務省に電話で問い合わせてみたところ、ホームページに掲載されているように、「2011年の政変によって政府の治安維持体制が極めて弱体化した後、同治安維持能力は強化されつつあるものの、未だ政変前のレベルに回復しているとまでは言えない状況」(海外安全ホームページより引用)。この状況に変化はないとのこと。一日も早く、旅行者が安心して観光をできるエジプトになってくれることを願う。

Report:Photographer Koach
参照元:外務省,小野良弘ブログ

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