環境への配慮から、車は従来のガソリン車だけでなく、ハイブリッド車、電気自動車などの研究開発が進められ、すでに市民の間でも広がりを見せている。
だが、同じエコでも風力発電で走る自動車を見たことはあるだろうか。なんとそれが中国で製作されたというのだ。しかも作ったのは科学者でもエンジニアでもない。55才の農民である。
風力発電自動車を発明したのは農民の唐振平さんだ。ガソリンを使わない自動車はモーターショーなどでもお馴染みだが、風力発電で走る自動車というのはあまり聞いたことがないのではないだろうか。
だが、唐さんはそれを作り上げてしまった! 百聞は一見にしかず。Youtubeにアップされた動画にはみごとに公道を走る風力自動車が映し出されているぞ!
この風力発電自動車の動力は風。フロントについた大きな羽が回って電気が作られる。時速40キロ以上で走ると風を受けた羽が回転し電気が作られ、充電される。つまり走りながら電気が作られるということだ。
当初、動力は風力発電のみだったが、のちに尾翼に太陽電池を搭載。風力と太陽光のハイブリッド車になった。さらに改良を重ね、当初最高時速60キロだったところ現在は140キロまで出せるようになったという。これは軽自動車と比較しても全く遜色ないぞ。
唐さんによると製作費は1万元余り(約14万円)、製作期間には3カ月を要したそうだ。部品などを大量に買い付けることができれば製作費はグッと抑えられるようになるとではないかとのこと。一緒に開発をしてくれる企業が見つかれば、と唐さんは話している。幼い頃からロボットが好きで、中学生の頃の好きな科目は物理だという唐さん。とはいえ、ちゃんと走る風力発電自動車を作ってしまうのは並大抵のことではない。
ちなみに低めの車高が特徴的な車のデザインはレーシングカーとステルス戦闘機からインスピレーションを得たとのことである。
(文=沢井メグ)
参照元: Odditycentral(英語)、温視資訊(中国語)