先日おこなった、焼肉のタレではどれがもっとも美味しくてコスパが良いのかという調査。見事にエバラ・黄金の味がいちばん美味しいという結果になったのだが、それは高くてもタレ1グラムあたり1.25円ほどのリーズナブルなタレの話。

今回は安いものでなく、あの超有名高級焼き肉店のタレなども含む6種類を購入し、ややお値段の高いタレではどれがコスパ最強で一番美味しいのか調査してみたぞ。果たしてオージービーフを高級肉並に美味しくしてしまう魔法のタレはあるのかッ!? 結果は以下のとおりだ。

<コスパ最強で美味しい焼肉のタレ調査~安価ダレ編~>

■ルール
・200円前後の普通のタレとくらべ、やや高いタレである
・普通のスーパーで簡単に手に入ること
・肉は安いオージービーフの切り落としを使用する
・肉に余計な味が付かないよう、油もひかず塩コショウもせず、そのまま焼く
・味についてはご飯と一緒にタレを付けた焼肉を食べた時の評価とする
・評価は星(☆)1~5個で評価。数が多いほど焼肉のタレとして完成度が高い

1.焼肉専門店叙々苑特製焼肉のたれ(ジェー・オー・ジェーYJ)

味の評価:☆☆(ややタレとしては不満)
コメント:あの超有名高級焼肉店「叙々苑」の焼肉のタレ。原材料は醤油や砂糖、みりんなど特に果実などは加えないシンプルなもののようだ。味については、みりんの味が際立ってしまいやや甘すぎるように感じた。高級焼肉店のタレなだけに、高い肉に合わせた味付けにしているのだろうか…。

2.鳥寛手作り焼肉のタレ 特選黒ラベル(鳥寛)

味の評価:☆☆☆(一般的な美味しさ)
コメント:グラムあたりの価格を見ると、これが最も高級であった。製造元の鳥寛のホームページを見ると、手作りをモットーとし、青森県産のにんにくや高知県産のしょうがなど、産地や品質の良いものを選んで使用するなどのこだわりを持ったタレだそうだ。原材料を見るとワインやハチミツなどを使用しており、確かにタレに個々の素材の風味を感じる美味しいもの。だが、赤身の切り落とし肉と合わせるにはやや上品すぎるか。たぶん和牛肉と合わせるとすごく美味しいと思う。

3.焼肉のたれ ジャン(モランボン)

味の評価:☆☆☆☆(優れた美味しさ)
コメント:スーパーの精肉コーナーに必ずといっていいほど置いてある、モランボンの保存料・化学調味料無添加のこだわりのタレ。味については、キッコーマンの「わが家は焼肉屋さん」の風味をよりスパイシーにし、ジャンのコクをくわえた感じである。高級タレはやや安い肉と相性の良さがもう少し欲しいと感じたものが続いたので、余計美味しく感じたかも? 手に入りやすさも良い感じである。

4.創味 専門店の味 焼肉のたれ(創味食品)

味の評価:☆☆☆☆☆(飛び抜けた美味しさ)
コメント:蕎麦屋もうならせるこだわりのそばつゆを作るメーカー、創味食品が新しく販売を開始した焼肉のタレ。これは一口食べた瞬間かなりの衝撃を感じた! あまりにフレッシュすぎるにんにくとすりおろしたまねぎ、りんごピューレの風味が、醤油やトウチジャン、ヤンニンジャン、創味ならではと言ってもよい鰹エキスの旨味たちと渾然一体となり、肉に黄金聖衣を着せたかのごとく何倍にも美味しさをアップさせていたのだ!! そばつゆメーカーのタレだと思ってナメてました。本当に申し訳ございませんでした。うますぎます。

5.人形町 今半焼肉たれ(人形町 今半)

味の評価:☆(残念)
コメント:東京・人形町の高級すき焼き店「人形町 今半」の焼肉のタレ。材料に本みりんを使用するなど高級すき焼き店ならではのこだわりを見せているが、残念ながらコクのある甘さが際立ってしまい、あまり安い肉との相性がよろしくない。叙々苑のタレを和風にし、更に安い肉との相性を悪くした感じである。こちらも他の高級ダレと同じく、和牛肉と合わせるとまた違った結果になるかもしれないし、きっと高い肉ならとても美味しくなるんだろうな…。

6.ごまとたまねぎの肉だれ(山口ごま本舗)

味の評価:☆☆(ややタレとしては不満)
コメント:山口県のごま油メーカーが肉との相性を考えに考え抜いて作ったタレ。果実成分にりんご、パイナップル、マンゴー、パパイヤ、バナナなど多くの果実成分が含まれており、非常にフルーティーながらもコチジャンやトウバンジャンがピリッとすべてをまとめている。ただ、いつもの焼肉のタレとして考えるとやや味わい的に違うので、星二つ。安価ダレ編でもそういった理由でプルコギヤンが同じ結果となったが、こちらも肉野菜炒めやビビンバのタレに使うと絶品になると思う。肉ダレとしてはまさに素晴らしい味ではないだろうか。

【オマケ】宮殿焼肉のたれ にんにく×にんにく(日本食研)

味の評価:☆☆☆(一般的な美味しさ)
コメント:高級ダレではないが、Facebookのコメントで日本食研のキャラクター「バンコ」が自社のものも判定してほしいと言ってくれたので調査してみた。味としては名前のとおりもっとガッツリにんにくが来ると思ったが、意外とおだやかなにんにくの風味で、ちょっと拍子抜けした。ただ、特筆すべきはそのまろやかさと、タレの濃さである。粘度があるため、肉にタレをたっぷりと付け食べられるのでご飯が非常にすすむのである。バンコやTwitterユーザーのオススメしていた晩餐館のタレを試してみたかったが、あんまり東京で売っていないのが困ったところだ…。

総評としては、「創味 専門店の味 焼肉のたれ」があまりにダントツにうますぎて、まるで北京オリンピックのウサイン・ボルト一人勝ちのような状態であった。創味は業務用の焼肉のタレも作っているようだが、家庭用とは味が違うみたいなのでご注意(今回は家庭用で調査)。まだ2012年の7月9日に販売したばかりなので、きっとこれから人気が爆発するだろう。ちなみに香り・味ともにかなりフレッシュなので、フライパンでタレを加熱せずつけダレとして使用するのをオススメする。

正直他のタレと比べ、ここまで安い肉との相性に差がありすぎるとコメントに困ってしまうぐらい美味しいので、もしスーパーで見かけることがあったら一度買ってみて損は無いと思う。高級ダレに分類されたが、そのなかではもっともリーズナブル(小売希望価格320グラム448円)なので、いつも200円ぐらいのタレを買っている人もちょっと背伸びをしたら買えるし、何よりも肉が普段より何倍も美味しくなる。

しかし今回の結果から、焼肉のタレは高いからといって良いというわけではないのが分かった。創味のタレのように例外はあるものの、意外と安いタレのほうが安い肉にも合い、家庭では万能調味料として使えるのかもしれない。

写真:ロケットニュース24