2012年3月9日、元人気キャスターの山口美江さん(享年51歳)が自宅で死亡しているのが発見された。8日に連絡が取れないことを不審に思った親族が、彼女の家を訪れると、すでに息を引き取っていたそうだ。死因は心不全、倒れたときに誰かがいれば一命を取り留めたというのだが、彼女の死を「孤独死」というべきなのだろうか?

・華々しい経歴とは裏腹の死
彼女は大学卒業後に外資系化粧品メーカーで勤務、ワーナーブラザーズで社長秘書を務め、通訳として活躍する。これだけでも経験豊富と言えるのだが、さらにその後にニュースキャスターとして芸能界デビューを果たす。

1996年に父親の介護のために、引退するまでその高い能力が買われて、バラエティ番組やテレビドラマに数多く出演していた。全盛期に彼女と仕事をしたという芸能人も少なくない。華やかな人生を送っていたと考える人も多いのではないだろうか。その彼女が人知れず亡くなるとは、誰も予想しなかったはずである。

・彼女は孤独死したのか?
3月11日放映のTBS系サンデージャポンで、彼女の死を「孤独死」と呼ぶべきかについて議論が行われた。家族が巣立ち、友人知人に先立たれた高齢者と、山口さんの状況を同じ「孤独死」と一くくりにすることにデーブ・スペクターさんは違和感を覚えるという。

たしかに、近しい人がいない状況で孤立していたのと、発作的に命を落とした山口さんのケースを同じと見るのは不自然かもしれない。また、世間一般に浸透している「孤独死」のイメージとも違うような気がする。

孤独死を否定する人は、山口さんの人生が「わびしいもの」と受け取られることを快く思わないようである。このことにネットユーザーは次のようにコメントしている。
 
「言いたいことはわかるが、家主や社会的には困る部分があるのも確かだよ」
「死んでいく姿を見られる方が嫌だわ」
「直前まで買い物や散歩や仕事もしてたんでしょ? 孤独死って言い方は合わない」
「猫みたいに人知れずひっそり死にたいもんやわ」
「確かに一理ある」
「山口さんがどう思っていたかは分からないが、ひとりで寂しく死にたい人だっていると思う」
「飯島愛なんて、死にたくはなかっただろうに。どう考えても孤独死だろ」
 
……など。多くのネットユーザーが、「孤独死」という言葉の解釈に戸惑いを感じているようだ。また、自らの死生観を考えるユーザーの意見も興味深い。いずれにしても、山口さんの眠りが安らかであることを心から願うばかりだ。