海外に行くと謎の日本語の食品に出会ったことはないだろうか。日本のものは売れる。売るために一生懸命日本風味を出そうとしている努力はカワイイものである。

そしてまた日本語が間違っているお菓子に出会ってしまった。

製造者の欄には「プロデュース事業:ウマイコーポレーション、住所:東京都新宿区新大久保……電話:03-……」と書いているのだ。え? 日本の会社が絡んでいるの? なんかすげー違和感のある名前だけど、間違ってるよって教えてあげなくっちゃ! 早速問い合わせてみた。

謎のお菓子は上海のファミリーマートで見つけたパイナップルケーキだ。「パイナップルはケーキ」「お楽しみ新しい味」「私は味が好き、それを共有し、友人と」などGoogle先生の翻訳が間違って吐き出しちゃったような日本語に彩られている。これは大変だ。

善は急げ! 早速ウマイコーポレーションに国際電話をしてみた。「お宅の商品の日本語間違ってますよ、現地の日本人に笑われてますよ」ということを伝えるために。すると……

「おかけになった電話は現在使われておりません」
 
は? どういうこと? 念のためFAX番号にもかけてみたが結果はやはり同じだ。そもそも東京都に新宿区新大久保という住所は存在しない。新大久保は駅の名前であり、住所として存在するのは「新宿区大久保」だ。まぎらわしいわっ。

住所も電話番号もニセモノだったのである。日本感を出すために、ただそれだけのためにわざわざ存在しないけどありそうな住所、使われていない電話番号を探したのだろうか。手が込みすぎだ。「アホかっ」と言いたくもなるが、ここまで来るといじらしさまで感じてしまうではないか。 

ちなみにそこまで仕込みをして売りたかったパイナップルケーキは、味は大変薄くウマイとは言えなかった。今まで食べたパイナップルケーキの中で群を抜いてマズい。箱の通り「新しい味」と言えば新しい味であった。

Report:沢井メグ
photo:Rocketnews24.

▼こちらがウマイコーポレーションの「パイナップルクリスプ」だ

▼ウマイコーポレーション

▼中国のお菓子でこの丁寧さは異常、しかし架空の住所である


▼従来のパイナップルケーキを逸脱した味であった