上手い下手、面白いか面白くないかはともかくとして、一部の読者には強烈な印象を与えたマンガといえば、現役漫画家(32)の母(59)が約半世紀前に描いた渾身のスパイ漫画『アクションガールズ』である。
作者は漫画家マミヤ狂四郎氏の母親「満利林(マリリン)」先生。現在の年齢は59歳。還暦まじかのフォーク世代であり、5人の孫がいるおばあちゃんでもある。そんな彼女が幼年期に描いた『アクションガールズ』は、「これが幼年期の少女の作品とは!」と各方面で大絶賛。しかし、途中で飽きてしまったのか、物語は未完に終わっていた。
ところがどっこい! 満利林(マリリン)先生は、誰に頼まれたわけでもなく、未完部分を黙々と執筆。ついに完成したとのことなので、ここに掲載したい。
B4サイズのスケッチブックに描かれた『アクションガールズ』の続編。1ページ目をめくってみると、「平成から昭和へ時空を超えて10代と50代の満利林がコラボした」と書かれている。編集者が書いたわけでもなく、自分でそう書いている。
そして2ページ目には「2011 December12」との表記が。12月12日に執筆開始したのか、それとも単に12月という意味なのかは不明だが、次ページに進むと……前作『アクションガールズ』の続編が始まるのである。
特筆すべきは描写スタイル。あくまでも幼年期に描いた「当時の少女漫画風」で描こうとしているのが分かる。
約半世紀にわたる長い長い時間には、様々な少女漫画のスタイルが確立されてきたが、満利林(マリリン)先生は他のスタイルには一切目もくれず、影響もされず、そのまま復活させたのである。まるで江戸時代から現代にタイムスリップしたサムライみたいな感じである。
また他にも、時事ネタや意味不明な効果音を「これでもか!」と入れる「くどすぎスタイル」もバッチリ健在。まさに時空を超えたカオス的な作品に仕上がっているのであるが……これ以上説明するとネタバレになってしまうので、まずは『続・アクションガールズ』をお読みになっていただきたい。それでは、良き時空の旅を。
執筆:GO羽鳥
まんが:満利林(マリリン)
Photo:RocketNews24.
※まだ前作を見ていない人は、いまのうちに半世紀前に描かれた『アクションガールズ』を見ておこう。