目的地もなく、風の赴く(おもむく)ままに旅をしたいという方に、絶好の乗り物がある。ニューヨークの建築家チアゴ・バロスさんが提案する「Passing Cloud」は、滑走路もエンジンも必要としない風を動力とする乗り物であり、これを使えば文字通り風の吹くままに旅ができる。
提案者のバロスさんは言う。
「なぜ旅行は速いスピードで行かなければならないのか? なぜいつも最終目的地は決まっていなければならないのか? なぜいつもかつかつのスケジュール通りに、出発・到着しなければならないのか? 近頃全てのことがあらかじめ決められていて、みながいつも走り回っている。今一度旅行とは何なのかを考え、そして赴くままに旅を楽しんでみようではないか」
伸縮性のあるナイロン生地に覆われたこの「雲」は、内部がステンレス鋼構造で出来ている。その時の風が吹く方向、スピードによって進路が決まり、旅の最終地点も行ってみないと分からない。
毎日時間に追われ、そこから解き放たれたいと思うそこのあなた。ぜひこの「Passing Cloud」に乗ってみて、何者にも縛られない大空の世界を旅してみてはいかがだろうか?
(文=田代大一朗)
参照元:Tiago Barros, Dezeen(英文)
▼はしごで上に登り、あとは座るだけ
▼地上から見たイメージ図。まさにその姿は雲そのものである
▼ナイロン生地で覆われた雲の内部は、ステンレス鋼構造になっている
▼その時の風の方向・スピードによって、進路が決まる
▼行き先は風のみぞ知る!