「ナイジェリアの手紙」という言葉をご存知だろうか? 簡単に説明すると、ナイジェリアなどのアフリカ地域から突然送られてくる詐欺メール(手紙やFAX含む)のことで、英文のメールのやりとりだけで相手を信用させ、巨額の金額や品々をだまし取るという国際的詐欺である。
英語が一般的でない日本においては被害報告はあまりないが、英語圏の豊かな先進国では被害者続出。数千万円単位の被害にあう人も少なくはない。
だがしかし、そんな憎っくき詐欺師たちを逆にこらしめる正義感あふれる人たちも世界には数多く存在する。詐欺師ハンターの総本山といえる海外サイト『419Eater』である。
彼らはメールのやりとりだけで、コンタクトを取ってきた詐欺師を信用させ、「●●してくれないと信用できない」や「●●してくれないとお金は払えない」などと、様々なことをリクエスト。基本的にバカ丸出な写真を送らせるのだが、それをネットに晒しあげて芸術性を競いあうのだ。
数年前に、一部の間ではブームとなった『419Eater』バカ丸出し詐欺師写真。もうそろそろ廃れているのかな……と思いきや! いまだに写真はアップされ続けており、最新の「詐欺師VS詐欺師ハンター」の攻防を垣間見ることができる。
数年前からの基本的ムーブメントは、「生魚を頭に載っける」や、「牛乳を頭からこぼさせる」、「食パン一斤まるまる頭に載せる」などであったが、近ごろは「メイクをさせてロックバンド『KISS』風にする」のが流行のようす。
ほかにも、変なタトゥーを入れさせたり、木彫りのニンテンドー64を作らせたり、手作りの「タイタニック」を作らせたり……と、そのアイデアは無限大。必見である。
ちなみに、冒頭で「日本での被害は少ない」と書いたが、ナイジェリアの手紙は着実に日本に届いている。よくあるのがネットオークションの「質問欄」などに英語で投稿してくるというケース。実際に記者(私)も、オークションにデジカメを出品した時に謎の英文が届いたことがある。
その内容は「私はアメリカで教師をしている者ですが、教材用にあなたの出品しているデジカメを2台欲しいと思っている。金額は約10万円(やけに高い金額)でどうだろうか? 必ず支払うので、ナイジェリアの我が家まで送ってほしい」的なものだった。なぜ教材用なのにナイジェリアなのかは謎だ。
その後も彼とは連絡をとり続けたが、「お金が先だ」という私と、「モノが先だ」という詐欺師の話はまとまらず、いつしか連絡は途絶えてしまった。
その後、パソコンを出品した時も、またもや同様の英文が届いた。名前こそ違うが、内容はデジカメの時とほぼ同じで、メールアドレスも先述の詐欺師と同一だったのである。
英語能力が高い人ほど詐欺にあいやすい「ナイジェリアの手紙」。どうかみなさんもお気をつけて。