小学生三人組が活躍する大人気シリーズ、『ズッコケ三人組シリーズ』の中年バージョンの新シリーズ発売に、昔のズッコケファンが衝撃を受けている。それは、『イフカルト – ズッコケ三人組がいつのまにか中年になってた』でのズッコケファンだった人たちのやりとりから垣間見える。いくつか挙げてみると、ざっとこんなところだ。
「少年だからワクワクがあったのに…夢も希望もないっす 」
「ずっこけじゃなくてよくね 」
「子供に夢を見させても良かっただろうに。」
子供の頃は誰しも、彼ら三人が引き起こす騒動や巻き込まれる事件を友情で解決していく姿に憧れを抱いていたはず。中年になってしまったら、もう昔のような冒険や無茶はできない。そこに失望しているようだ。ただ、ズッコケファンが一番衝撃を受けているのは年を取ったというところだけではない。中年になった彼ら三人の職業のところなのだ。
・ハチベエ・・・親会社のロイヤリティに喘ぐ大手コンビニチェーンのFC店長。
・ハカセ・・・学級崩壊寸前の中学教師(学年副主任)。
・モーちゃん・・・レンタルビデオ店員。
これは、いくらなんでも酷すぎる。夢が無さ過ぎるのだ。やんちゃな子供は将来、出世できないということだろうか。また、ここまで現実的に書く作家も珍しいだろう。大抵の物語の主人公は、永遠に子供のままだ。将来どうなるのかなんてことは書かない。昔のズッコケファンはこれを読んでどう思うのだろうか。成長した彼らに共感できるのだろうか。現実はかくも厳しいものなのか。しみじみ考えさせられる展開である。
記者:藤岡あかね