前回、虫のタガメを食べた感想についてお伝えしましたが、今回はアリのタマゴの味についてお伝えしましょう。皆さん、アリのタマゴって見たことありますか? 私は今までに見たことがなく、「これがアリのタマゴ?」と驚きました。意外に大きいんですね。

このアリのタマゴは贈り物としていただいたのですが、冷凍されたアリのタマゴのなかには、半分くらい成虫になっているものもいました。さらに羽の生えたものまでいて、食べるのには相当勇気が必要でした。でも食べました。

タイの山奥ではアリのタマゴは貴重な食料です。山深い田舎の町は、海から遠いため蛋白源を補える食料が限られています。そこでアリのタマゴを食べるようです。タイでは『カイ・モットデーン』(赤アリのタマゴ)と呼ばれており、オムレツにするのが一般的。私は今回、白いご飯の上にのせて食べてみることにしました。

パッとみた感想はウヨウヨっとしています。白や灰色の卵と、半分成虫になりかけたアリたちが、今にも動き出しそう。口に入れたら動くのでは? と思うとなかなか食べる勇気が湧きませんでした。しかしこれはやさしい人からの贈り物です。これは絶対に食べないといけない! 食べないと申し訳ない。「とにかく食べるのだ!」と自分を奮い立たせて、ご飯とともにパクリ! プチプチプチプチと噛むごとに卵が口のなかで炸裂!

と思ったのですが、この食感、何かに似てるなと思いました。噛むとプチっと炸裂する感じ。この感触はイクラにソックリな食べ応えなのです。時々成虫に成りかけた卵を噛むと、シャキシャキしているのですが、それ以外はイクラそのもの。味もほんのり甘いのです。ためしに醤油(しょうゆ)をかけてみたところ、あ~ら不思議、イクラ丼の完成です。

「これはイクラだ! イクラ丼なんだ!」

そう自分に言い聞かせ、なんとか無事に完食することができました。正直なところタガメよりも見た目が不気味でしたが、味はタガメよりずっと美味。アリのタマゴは寿司ネタにも良いのでは? と思いました。

ちなみにお贈り頂いた方に確認させて頂いたところ、タガメもアリのタマゴも東京新宿区大久保のタイ食材専門店『アジアスーパーストア』で購入されたようです。ご興味のある方は是非一度、このお店に足を運ばれて昆虫料理に挑戦してみてはいかがでしょうか?

Photo by Rocket News24 Staff / 佐藤記者撮影