
「芸術の秋」のはずなのだが、今年は長雨のせいで季節感がむちゃくちゃになって、今がどういう季節なのか、いまいちピンと来ないのは私(佐藤)だけではないはずだ。とはいえ、季節感を問わずに人はいつでも芸術的なものに触れたくなるものである。
そこで今回は、編集部メンバーに聞いた「最近劇場で観た映画」についてお伝えしたいと思う。これは決しておすすめというわけではない。おすすめを尋ねると気取った作品を挙げるヤツらばかりなので、正直な感想を聞くためにも最近観たものに絞った。
さて、メンバーは最近どんな映画を観たのか? そしてそれを観てどう思ったのか? 秋の夜長の映画鑑賞の参考になれば幸いである。
◆佐藤英典『バックルームズ』
「今年9月に日本でも公開された、ネットミームから生まれた都市伝説を題材にした作品『バックルームズ』。YouTube出身の若干21歳の監督が手掛け、海外で爆発的にヒットして話題になった作品なのだが、個人的にはイマイチだった。詳しくは以前のレビュー記事を参照頂きたいのだが、私が思っていた作品とは違った。
鑑賞からしばらくはあまり高く評価できなかったのだが、バックルームをよく知るYouTuberの皆さんのレビュー動画を見たところ、いろいろな解釈があることに気づき、今になって「面白かったのかもなあ~」なんて思っている。前提が複雑で難しい作品なので、一概におすすめはできないけど、いろいろな解釈を与える興味深い作品であることはたしかだ」
◆中澤星児『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』
「2007年にノイタミナで放送されていた『モノノ怪』は、当時の深夜アニメの最先端みたいなエッジィさに溢れていた。結果的にアニメ史のメインストリームには残らなかったけど、記録より記憶に残る作品であり、広くより深く刺さる作品と言える。
テレビシリーズから15年が経った後クラウドファンディングから実現した劇場版の道のりも、モノノ怪っぽさの1つではないだろうか。
そんな劇場版三作目となる本作は、エッジィな表現の到達点と言えるような内容で、20代からずっとリアタイしてきた私としては大満足だった。もうそれがそこにあるだけで幸せ。新プロジェクトも楽しみだ」
◆GO羽鳥『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』
「親友が「ちいかわのことを知らなくても楽しめるらしい」「かなり考えさせられる映画らしい」と言うので、メシのあとそのまま「観に行っちゃおうぜ」と劇場へ。
たしかに、ちいかわの「ち」の字も知らない私でも、ちいかわがなぜ人気なのかは理解できた。しかし、どうしても暗闇になったときに生じる睡魔に勝てず、半分以上は寝ていた。
途中、隣の親友から「おいっ!」と肘打ちされて起きた。なんでも、少しイビキをかきはじめてしまったらしい。あぶなかった。1人で行かなくて本当によかった……」
◆P.K.サンジュン『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』
「試写会も含めて映画はまあまあ観てる方だが、仕事と無関係の映画となると娘と観に行った映画ドラえもんが最新だ。
正直な話、映画ドラえもんは私に全くハマっておらず、寝てしまっていることも少なくない。確か車がしゃべるヤツだよね……?」
◆原田たかし『映画 ブルーロック』
「実写でどうなんだろうと興味があって足を運んだら、想像以上によくて面白かった。漫画・アニメの実写化は否定的な意見が多い印象だけど、ブルーロックはキャラクターの再現度をはじめ全体的にクオリティが高かった。
中でもぶっ刺さったのがAdo。歌唱力がスゴいことは今さら言うまでもないが、スクリーンと音響を通して改めて聴くと、「この人ヤバいわ」と肌で感じるしかなかった。
あの歌声をあの空間で浴びるだけでも、足を運んだ価値があったと思う。最初は興味半分だったけど、いい意味で予想を裏切られた。エゴ!」
◆古沢崇道『ハート・オブ・ビースト』
「人と犬との絆を描いたサバイバルドラマ。美しくも過酷な大自然の中で、傷つきながらも互いを信頼し、寄り添い合う姿には終始胸が熱くなった。主演のブラッド・ピットは渋くてホレボレするほどかっこいいし、共演している犬も愛おしくて劇中ずっと応援していたくなるのだ。
当サイトの記者・K.Masamiもレビューしているとおり、主人公の相棒である犬の演技がすばらしくて驚いた。
「瞳の絶妙な揺れ」や「視線の送り方」といった細やかな表現がまさしく人間のそれ。映画のドラマ性を何倍にも引き上げていたと思う。
ちなみにこの作品は先月9月25日に公開されたばかり。まだまだ映画館で上映しているはずだ。ぜひ、彼らの揺るぎない絆を大きなスクリーンで見届けてみてほしい」
◆あひるねこ『映画名探偵プリキュア! 不思議な庭と2人の秘密』
「ここ数年、基本的には娘が観たい映画にしか行かない。直近だと現在公開中のプリキュア最新作を家族3人で観てきた。
これまで毛ほどの興味もなかったが、自宅で何度も何度も繰り返し流れているのを見ていると、さすがに体がプリキュアの味を覚えてくる。
映画館では前作、前々作のキャラたちが駆けつけるシーンが熱すぎて泣き、子どもたちが入場特典のライトを照らしてプリキュアを応援する姿が美しすぎてまた泣いた」
◆和才雄一郎『THE FIRST SLAM DUNK』
「子供が生まれてから映画館に行く気が激減したが、これだけはどうしても見たくて何とか時間を作った。妻に「お願いだから1回見させて」と懇願し、そのあと「マジでごめん」と言いながら結局2回見ることになった。
「それだけの価値がある。牧紳一というプレーヤーは」と言った安西先生の顔をイメージしながら、「2回見るだけの価値がある。THE FIRST SLAM DUNKという映画は」と妻に伝えたのを覚えている」
以上だ。ジャンルもテイストもバラバラの8作品。何かひとつでも参考になりそうなものがあれば、ぜひ劇場へ。もしくは配信でご覧頂き、メンバーと同じような感想を抱くかどうかをたしかめて頂きたい。
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
▼ブルーロックで流れたAdoのモンストロ