
「たまごかけごはん」、それは日本の国民食のひとつである。日本における養鶏や流通の衛生管理・殺菌システムがしっかりしているからこそ、生たまごを白ご飯にのせて食べることができる。日本の名物とも呼べる料理のひとつだ。
先日、当サイトのライブ配信中にたまごかけごはんを実施したところ、私(佐藤)と羽鳥・中澤の3人はそれぞれ食べ方が違うことに気づき、にわかにTKGの議論になった。
そのことを記事で執筆したところ、読者の皆さんからも独自の食べ方が集まった。今回は、お教え頂いたものの中から私がとくに個性的と判断したものを5つ紹介したい。
・人によって食べ方が違う
「たまごかけごはん」というと、私は全卵をご飯の上にのせるシンプルなものであると考えている。しかし羽鳥も中澤もひと手間、いやふた手間でさえも惜しまずに、自分流の食べ方にこだわりを持っている。
まず羽鳥はたまごを器に割り、醤油をかけてしっかり混ぜた後にご飯にかけてそのまま食べる。これを私は「半混ぜ」と呼んでいる。
一方の中澤はまずご飯に醤油をかけて混ぜ、たまごを器に割って混ぜ、さらにご飯にかけて一体になるまで混ぜる。これを「全混ぜ」と呼ばせて頂こう。
このように、身近な3人でさえも食べ方が違う。意見を募ったらさらにいろいろな食べ方が集まると考えて、前回の記事で募集をかけた。
・個性的な食べ方
その結果、約50件の食べ方が集まったのである。その中には我々3人の食べ方それぞれに共感する声も少なくなく、さらにそれらを進化させた形のものもあった。全部を紹介したいところではあるが、代表して5つを挙げさせて頂くとしよう。
1.分離式
お送り頂いた中で比較的スタンダードだったのが「分離式」である。これは白身と黄身をセパレートする食べ方だ。
まず白身をご飯と混ぜ合わせる。この方法を選ぶ人の多くは、白身のドゥルンとした感触を好ましく思っていない様子だ。
一体になったところで、上から黄身をのせて醤油をかけ黄身を崩しながら食べるのだとか。
食べてみると、もったりとした黄身の甘さをダイレクトに感じることができる。また白身とご飯が一体となっているため、口当たりは非常に滑らかである。
2.ごはんかけたまご
続いては、目からウロコな食べ方のひとつ。まずはたまごを器に割って、醤油をかけて混ぜる。ここまでは他の食べ方と同じ。
このあとが他と違う。その混ぜた器(お茶碗)に直にご飯を入れるのである。
これを提案してくれた方は、器にたまごが残るのがもったいないとのお考えだった。たしかに別の器を使うと、たまごが付着して味わい切ることができない。直にご飯を入れてしまえば、しっかりたまごを食べられるし洗い物も減るしで一挙両得である。
ちなみに名称を「ごはんかけたまご」としたのは、本来ご飯にたまごをかける「たまごかけごはん」の逆になっているからだ。
3.たまごかけないごはん
続いても斬新な食べ方。これもまた、まずは先のごはんかけたまごと同じく、器にたまごを入れて醤油をかけて混ぜる。
やることは以上で終わりだ。いわく、たまごをすすりながらご飯を食べるそうだ。一体感を求めて全混ぜにする中澤の考え方とは対極に位置する。
試したところ、混ざりあっていないがゆえに、たまご本来の味と甘さを存分に味わうことができた。これこそ、真のたまご好きのためのたまごかけごはん、いやたまごかけないごはんだ。
4.レンチン式
次は稀ではあるが、いくつか同様の食べ方が見受けられたレンチン式である。その名の通り、レンジでチンする。
まずはご飯に穴をあける。そこにたまごをそのまま落とす。
そしてレンジへ。教えてくれた方によると、半熟になるように仕上げるそうだ。白身は白くなり、黄身は半熟が望ましいとのことだったが、これはなかなか理想の加熱具合を目指すのが難しい。
結局私は加熱しすぎて、目玉焼きのようになってしまった。きっとレンチン式を極めた人は、もっと手前の状態で加熱を終了するはず。
食べたところ、やはり加熱しすぎで固い目玉焼き状態。真のレンチン派は、ほんのり温かく中は半熟になる火加減を極めているのだろう。
5.ダム式
最後はダム式。これの基本は羽鳥と同じ半混ぜだ。器にたまごを入れて多めの醤油と合わせてしっかり混ぜる。
その状態でご飯の片側に隙間を作り、そこに卵液を流し込むとのこと。「ご飯を左に寄せて右側を空ける」と教えていただいたのだが、
私は間違えて左側を空けて流し込んでしまった。まあ、どちらでも大丈夫だとは思うけど……。
これはいわばダム式とでも呼べるだろう。屹立する白いご飯の壁、そのフチには黄金色の卵液がたたずむ。やりようによっては枯山水のごとく風情を感じるたまごかけごはんになるだろう。まさしくワビサビの世界である。
そんなわけで、混ぜない派の私はこれまで知ることがなかった、新たなたまごかけごはんの世界を垣間見ることができた。
……とはいえ、全部混ぜるタイプなので白身のドゥルンがないのは寂しい。やっぱたまごかけごはんはあのドゥルンあってこそだと思うのだが……。いずれにしても、いつも同じたまごかけごはんを食べているという方は、これら5つの食べ方も試して頂きたい。意外と好みの食べ方があるかも。
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24