
とにかくケーキがデカいことでよく知られるカフェ「HARBS(ハーブス)」は、通称「ケーキ界のコメダ珈琲店」と言われているらしい。
そんなハーブスに姉妹ブランドがあることはあまり知られていない。「アンティコカフェ アルアビス(ANTICO CAFFE AL AVIS)」というカフェだ。
「イタリアのカフェ文化を伝える」というコンセプトのこのお店、実はケーキだけでなく「パニーニ」が美味いとひそかに人気を博している。
私も最近までその存在を知らなかったのだが、利用してみたら、スピナッチのパニーニの美味しさに驚いた。ハーブスのケーキもいいが、ここのパニーニも侮れないぞ。
・ハーブスの姉妹ブランド
運営元の株式会社重光は1976年に「喫茶メルローズ」というお店で創業、79年に会社を設立して、81年にはハーブス栄本店をオープンしている。実はアンティコカフェの前身「アル アビス」はその2年後に誕生しているのだ。
後にアル アビスブランドは「アンティコカフェ アルアビス」に統合されているのだが、全40店舗のハーブス(アメリカ店含む)と比べて12店舗と少ないため、その存在をあまり知られていない。
意外にもお膝元の名古屋には現在1店舗しかなく、3店舗が大阪、残りの8店舗が東京・神奈川にある(2026年4月時点)。
そのうちのひとつ、渋谷アクシュ店を訪ねた。ヒカリエの向こうに入居する施設「渋谷アクシュ」があるのだが……。
最近のJR渋谷駅周辺の改修工事は複雑をきわめており、ヒカリエ周辺はどこがどこだか都内在住の私でも迷うレベル。ヒカリエの向こうに行きたいのに、迷路を攻略できずにずいぶん遠回りしてしまった……。
・本格的なパニーニ
さてようやく建物に着き、2階に上がるとお店発見。外観はごく普通のどこにでもありそうなカフェである。
入ってすぐのショーケースをのぞいてみると、スイーツと共に大量のサンドイッチが並んでいる。そう、これがお店の看板商品のパニーニである。
何を隠そう、私は無類のパン好き。パン食べ放題のお店に行く機会が多いのはそのためである。それにしても美味そうやな~。ここのパニーニはすべて自家製で、フィリングに合わせてバンズを焼き上げているのだとか。
その上の段のスイーツも気になるけど、今日はパニーニを堪能したいと思う。噂ではスピナッチのパニーニが美味いと評判なのだが、はたして……。
・強くプレスしていないパニーニ
注文したのは「スピナッチ」(税込590円)と「プロシュート」(税込490円)、それにドリンクは「アーモンドミルクラッテ」(Mサイズ税込680円)の3品である。
パニーニというと、日本では薄いパンに具材を挟んで焼き目をつけたホットサンドのようなものを想像しがち。実際私もそれがパニーニだと思っていたのだが、本場の味に忠実なここのものは薄くない。結構分厚く、しかも強くプレスされていない。
形状も私の知るものと異なり、かなり大きい。いつも目にするパニーニは「軽食」という向きが強いが、実はイタリアでは「食事」と考えられているため、それに習って1個のサイズが大きいようだ。
・スピナッチは絶品
まずはプロシュートから。パカっと開くと、生ハムとモッツァレラチーズが顔を出す。食べると、生ハムの塩気とチーズのまろやかさが焼き上げたパンと合わさって美味い。
「リュスティック」と呼ばれるパンは、表面が硬く噛み応えがあり、ハムの塩気との相性はバツグン。噛むごとにパンとハムの旨味が口に広がる。
続いてスピナッチを手に取る。中にはほうれん草・ベーコン・きのこなどをマヨネーズソースで和えた自家製フィリングがギッシリと詰め込まれている。
大きな口を開けてガブリと噛みつくと、プロシュートとはまた違ったベクトルの旨味が口の中に押し寄せてくる。ほうれん草の旨味とコク深いマヨソース、そしてほのかに香るバターの風味。それらが黒胡麻入りのパンと一体化している。
これはプロシュートを凌ぐウマさ。ほうれん草がここまで立派に主役を張れるなんて知らなかった。繰り返し食べたくなる美味しさで、人気商品なのも納得。忘れた頃にまた食べたくなる “良いクセ” がある。
「ハーブスのケーキは好きだけど、アンティコカフェは利用したことがない」という人は多いはず。もったいないことをしているかもしれないので、ぜひ次に見かけた時は、だまされたと思ってスピナッチのパニーニにかぶりついてみてほしい。パニーニの概念が変わるかもしれないぞ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 アンティコカフェ アル アビス 渋谷アクシュ店
住所 東京都渋谷区渋谷2-17-1 渋谷アクシュ 2F
時間 8:00~22:00(土日祝9:00~)
定休日 なし(施設に準ずる)
参考リンク:アンティコカフェ アル アビス、株式会社重光
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24