立ち食いそばって近所の店に通うものだと思う。家や職場の近所、または通り道にフラッと入れるのが魅力の1つだからだ。それがウマけりゃ積み重なって記憶に残る。

立ち食いそば屋を紹介する連載『立ち食いそば放浪記』も第384回。色んな街の立ち食いそばを食べてきた私(中澤)だけど、たまに恋しくなるのは住んでた街の立ち食いそば屋である。中でもマジで無性に食べたくなる時があるのが『みのがさ』だ。

・一番通った立ち食いそば屋

御徒町に6年住んでいた私。『みのがさ』は秋葉原~御徒町に数店舗展開されている立ち食いそば屋である。激戦区のこのエリアには、川一二葉かめや野むら三丁目よもだそばなどなど、名店と呼ばれる店がひしめいているけど、住んでた間で私が一番通ったのは『みのがさ』だった。

立ち食いそばって、遠征でも良さが分かりやすい店と近場で魅力を発揮する店がある。住んでた頃の私にとって『みのがさ』は後者であり、分かりやすい個性以上に、通いやすい使い勝手の良さが魅力であった。

・通った理由

例を上げるなら、本店の岩本町店は土日定休日で営業時間も短いんだけど、昭和通り沿いの神田和泉町店は定休日なしで土日も6時から17時まで営業しているところとか。フラッと行ってやってなかったら「別の店行くか」という潰しが効くのである。

メニューにおいても、そばとカレーだけでなく唐揚げ丼や焼肉丼など丼物セットもあったりする。それでいて、セット価格も当時600~700円くらいだったから、そばを食べたい気分じゃなくてもとりあえず『みのがさ』に行ったものだ。

・久しぶりに行ってみると

渋谷に引っ越してからは足が遠のいたけど、そんな『みのがさ』に久しぶりに行ってみた。本店である岩本町店の今の営業時間は平日11時30分から14時。かつては夜も立ち飲み屋として営業していたけど、今は昼限定になったっぽい。

正午くらいに行ったら店内はお客さんで賑わっていた。安定の人気はさすがと言えよう。メニューも住んでた当時より高くなってはいるものの、このご時世に唐揚げ丼セットとかカレーセットが税込800円なのは良心的な価格ではないかと思う。

今回はカレーそば(税込580円)にしてみた。ちなみに『みのがさ』は弁当屋もやっていて、そこも行列になるくらいなのでお惣菜にも定評がある。そこで野菜コロッケ(税込130円)を注文したところ「今日は完売」とのことだった。人気度が上がっている気さえする。

・久しぶりだからこそ感じたもの

『みのがさ』のカレーはとろみのあるノスタルジックな味で質の高いそば屋のカレーであることは以前の記事でお伝えしている通り。カレーそばにおいても、そのまろやかな旨みは発揮されている。ウマイ。しかし、それ以上に……

麺が懐かしい。口の中でパラッとほどける細く丸めの麺のスッキリした喉ごしに目が覚めるようである。オーソドックスなそばなので分かりやすい違いがあるわけではないんだけど、そのスッとするような食べ心地に何よりも『みのがさ』を感じた。

個性以上に通いやすさと前述したけど、当たり前になりすぎて見えてなかっただけなのかもしれない。改めて食べたら『みのがさ』でしかない味してる。

なお、この麺は、そば粉に最高銘柄の戸隠信濃町産が使われており、毎日歴50年の職人が本店で製麺しているとのこと。久しぶりだからこそ気づけたその凄み。おかえり──。麺にそう言われた気がしたのであった。

・今回紹介した店舗の情報

店名 みのがさ本店
住所 東京都千代田区岩本町3-10-5
営業時間 月~金11:30~14:00
定休日 土・日

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼そばや出汁の素材にもこだわりが見える

▼ちなみに、米もこだわりの山形県産米

▼だからご飯ものもウマイ