浅草のど真ん中にある、日本最古の遊園地「浅草花やしき」。

名前はよく聞くが、実は行ったことがない……という人も多いのではないだろうか。私もその一人だった。

そんな私に声をかけてくれたのが、中学時代からの友人。『マツコの知らない世界』にも出演した遊園地大好きユニット369daysのひとり、mikkoちゃんである。

国内外の遊園地を巡りまくっているマニアに案内してもらい、今回はついに私も花やしきデビュー。

さらに、3月20日のリニューアル予定の屋上エリアも特別に見せてもらえることになった。

・園内マップを収集するのも好き

369daysは、mikkoちゃん夫妻が活動している遊園地好きのユニット。国内外の遊園地を訪れ、魅力を発信している。

各地の遊園地のマップも新旧問わず集め続けており、その数はかなりのものらしい。この春には、遊園地マップをまとめた本『あのころの遊園地マップ図鑑』も、発売されるという。


そんなmikkoちゃんから、事前に送られてきたのがこんなLINE。

なんと花やしきクイズだった。どうやら、この答えを探しながら園内を回るらしい。

こういうのめちゃくちゃ好きだぞぉ! 私も工場見学マニアとして、事前に「どうやって作られているのかな?」「この部分はどうなっているんだろう?」などと想像しながら見学するタイプである。

ちなみにクイズの答えは、この記事の最後にまとめて記載しておくので、ぜひ挑戦してみてほしい。


・まずは名物「スリラーカー」に乗る

当日、浅草で合流。

ちなみにこのマニア、今年だけですでに花やしき3回目らしい。


え? まだ3月なんですが。


「まずは絶対これ」そう言って向かったのがスリラーカー。

75年の歴史をもつライド型のお化け屋敷だ。怖いだけじゃなく、途中でファンキーなお化けも出てくる。お化け屋敷が苦手な人にもおすすめだ。ただ、最後まで油断ができないので気をつけて!

mikkoちゃんは、子供の頃に親に連れられて花やしきに来た際、待機列から逃げ出そうとして失敗し、泣きながら乗った思い出があるそう。そのため、花やしきで一番思い出があるアトラクションとのことで、とても愛おしそうに乗車していたのが印象的だった。


続いて向かったのが、花やしき名物のローラーコースター。

住宅に囲まれた敷地を走る、日本現存最古のローラーコースターだ。

比較的短いコースを走るのだが、これが想像以上に気持ちいい。浅草の町並みをぐるっと眺めながら走るのも、なかなか素敵だ。結果として私は4回乗った。

マニアのおすすめポイントでもある最後の仕掛けも面白いのだが、これはネタバレになってしまうのでここでは触れないでおこう。


・三半規管の衰えにビックリだわ

次は、ビックリハウスへ。

実はこれ、現在営業している中では花やしきで最も古いアトラクションらしい。ここでマニアポイント発動。

ビックリハウスは、どこにでもあるような部屋に設置された椅子に座ると……詳しいことは言わずにおくが、とにかくビックリすることが起こるアトラクションだ。戦後まもない1947年に花やしきに導入された。

当初は「こんな危ないものはけしからん!」とクレームを言ってくる人もいたらしい。(※本当は危なくない)

以前は別のデザインに変更されたこともあったが、数年前に昭和50年代のデザインである「ピエロ顔」が復活したという。

私はこういうアトラクションは、昔よく乗ったので余裕だと思っていた。しかし、意外とくる……、普通に酔いそう。

どうやらアトラクションは変わっていないが、私の体のほうが変わっていたらしい。

これこそ、ビックリだわ。


・メリーゴーランドマニアの本領発揮

そして、ほかにも盛りだくさんの解説付きでアトラクションを楽しみつつ、やってきたのはメリーゴーランド。

マニアは日本各地のメリーゴーランドを巡り、なんと約130ヶ所中のほぼ全てを制覇しているらしい。『マツコの知らない世界』に出演したときも、遊園地の世界でなく、メリーゴーランドの世界の案内人として出演していた。

ちなみに、花やしきには大正時代から「木馬館」という名称でメリーゴーランドが設置されていた。残念ながらその後取り壊されてしまい、当時の木馬館と現在のメリーゴーランドは別物だが、そんな古い歴史があるとは驚きだ。

マニアによると、現在のメリーゴーランドで注目してほしいポイントが3つあるという。まずは、小さなものが2台並んでいるお子様専用の仔馬。

この小さなタイプの仔馬は珍しいそうだ。可愛い!

また、屋根の上には花のような形のオブジェが付いている。ここも花やしきらしくて可愛いポイントとのこと。

最後に、木馬だけでなく馬車にも注目。動きが意外とアクロバティックなのだ。確かに安全バーまで付いていて、思ったよりも大きく動いた!

こういう細かいポイントを教えてもらえるのも、マニア同行の醍醐味である。


・マニアにも苦手なものが

園内にある21種のアトラクションをほぼコンプリートしかけた頃、マニアがこう言った。


実は回転系苦手なんだよね


しかし、せっかくなのでこの機会に、ぐるぐる回るアトラクション、ディスクオーにも乗ることに。

ディスクオーは、円盤が回転しながらレールの上を前後に滑る、遠心力を楽しむアトラクションだ。

乗る直前、友人が言った。「気絶してビックリハウスみたいな顔になったらごめんね」

この状況でも花やしきネタを入れてくるマニア、恐るべし。


・人生初ドムドムバーガー

ひと通り遊んだところで昼休憩。花やしきにはフードコートや飲食店も入っている。

今回は、ドムドムバーガー花やしき店へ。

注文したのは浅草店限定の黒毛和牛使用のコロッケバーガー(550円)。

ちなみに私は、何気に人生初ドムドムである。まさか花やしきデビューだけでなく、ドムドムデビューまで果たすとは。

アラフォーになっても、まだまだいろんな “初めて” が待っているから、人生はおもしろい。


ドムドム前の飲食スペースがいっぱいだったので、マニアが園内のおすすめ休憩スポットを教えてくれた。それがパンダカー広場。

パンダカーが集まるエリアなのだが、人が少なくて穴場だった。

食後はせっかくなのでパンダカーにも乗ることに。

友人は運転しながらも、豆知識を語る。

「パンダカーとビックリハウスは花やしきの登録商標なんだよ」

知らなかった〜! ほかにも、「今はバンダイナムコグループが運営していて、その前は東洋娯楽機というアトラクションメーカーが長く運営していて……」など、遊園地トークが止まらない。


・リニューアルする屋上エリア

そして最後に向かったのが屋上。

実は花やしきでは、3月20日から屋上エリアがリニューアル予定だという。

今回は特別に、準備中の屋上を見せてもらった。これにはマニアも大興奮。スタッフの人への質問の熱量がすごい。

屋上からは園内だけでなく、浅草寺やスカイツリーなども見渡すことができる。

目の前にはローラーコースターが走り、なかなか迫力のある景色だ。

新たに、87種類の花や緑に囲まれた花園エリアや、座って休憩できるスペースも整備される予定だという。

花やしきはもともと1853年、牡丹や菊細工を楽しむ花園「花屋敷」として誕生した場所。その原点を感じられる空間になるらしい。


さらに奥へ進むと、小さな神社がある。マニア曰く、この中には、あるものが祀られているそうだ。(正解は記事の最後に)

ちなみに、マニアが後日送ってくれたリニューアル前の屋上の写真。

これはなかなかインパクトがあるじゃないか。


・歩いてみて感じた「なつかしくて新しい」遊園地

正直に言うと、花やしきには最初「とにかく古い遊園地」というイメージしかなかった。

しかし実際に歩いてみると、印象はだいぶ変わった。まず、距離が近い。花やしきは、コンパクトなので、アトラクションとアトラクションの距離が非常に近い。

ローラーコースターからの歓声が聞こえたと思えば、メリーゴーランドを楽しむ人たちの笑顔。人の表情がよく見えるのだ。楽しそうな顔、驚いた顔、ちょっとびびってる顔。小さな園内のあちこちに、いろんな笑顔がある。

そしてマニアが言っていた通り、園内には昔の名残があちこちに残っている。変化の中でも古いものをほどよく大切に残しているところが、花やしきの面白さなのだと言う。

さらに花やしきは浅草という街の真ん中にある。この場所で長い歴史を重ねてきた遊園地だからこそ、どこか情緒的な雰囲気も感じられる。古いだけではない。むしろ古いからこそ面白い。

遊園地マニアと一緒に歩いたからこそ、気づくことができたのかもしれない。ただ、情報量が多すぎて頭が忙しかったが、それもまた楽しい時間だった。

※今回は遊園地マニアによる案内という趣旨にご賛同いただき、花やしき様のご厚意により園内を利用させていただきました。

・今回訪れた施設の詳細

店名 浅草花やしき
住所 東京都台東区浅草2-28-1
時間 10:00~18:00

取材協力:浅草花やしき・369days
参考リンク:浅草花やしき
執筆:夏野ふとん
Photo:369days・RocketNews24.

▼神社の中には結婚(良縁)の神様「ブラ坊さん」が祀られている。浅草花やしきの前身が花園だったことに由来して球根の形をしている(クイズ①の答え)

▼花やしきで一番古いアトラクションはビックリハウス(クイズ②の答え)

▼この滝は昔から、変わらずに残っているらしい(クイズ③の答え)