今日は金曜日か。よし「奈良まほろば館」に行こう! いつ行っても売り切れている、知名度も人気も圧倒的なレジェンド菓子の1つ「きみごろも」の入荷日だ。

SNSでは「美味い」「ふわふわ」「甘い」と絶賛の声。しかし具体的なことはよくわからない。ずっと食べてみたかったのだ。

ということで買いに来たら「奈良まほろば館」のラインアップが最強になっていた。偶然にもレジェンドが全部ある……!

・全部ある

「きみごろも」はSNSで定期的にバズるため、11時のオープン直後に売り切れることも珍しくない。前にチャレンジした時は、11時半でもう無かった。

今の時刻は正午。しかし最後にバズってから75日以上経つ。人の噂もというやつだ。読み通りに「きみごろも」はまだ残っていた。


数か月にわたりくすぶっていた願望がついに叶えられた! よし、帰って食う……いや待て。隣のは月1とかで入荷される「みむろもなか」じゃないか! 奈良の最中で恐らく1番有名なやつだ。


奈良のレジェンドが揃っている。これも買っていこう。嬉しかったので目の合ったスタッフに喜びを伝えたら、この時期ならではの良いモノが入っているという。

こ、これは……!? 季節感最強のアイテムじゃないですか!!!


・きみごろも

まずは最大の目当てだった「きみごろも(1256円)」。一時期ほどではないが、現在でも昼過ぎには売り切れるそうだ。私は少し侮りすぎていたかもしれない。


もうふわふわで甘いのは知っているが、私はもう少し具体的な情報が欲しい。


まずは硬さ。なるほど、柔らかい。ふわふわなのはその通り。しかし自重を支えられないような柔らかさではない。

普通に箸でつまみ上げられるし、箸で形を崩さず持ち上げられる。油揚げよりはおでんに入れる前の がんもどき のようだ。


断面はこう。切る時にナイフの刃ごしにペリペリプチプチと、微小な気泡がはじけるような感触が伝わってきた。メレンゲだけにしては弾力がある。なるほど、寒天で固めたのか!


そして表面の皮だ。簡単にぺろりと剥ける。メレンゲのブロックに熱があまり伝わっていないことがわかる。素早く卵黄にディップし、表面だけ焼いたのではないかと推測する。


アイディアも凄いが、綺麗なブロック状に仕上げる技術も尋常ではないと感じる。製造の様子を1度見てみたい。専用の型でもあるのだろうか?

面白く、美味く、独自性も頭抜けている。さんざんSNSで見た「きみごろも」だが、いざ実物を前にすると、その奥深さに圧倒された。凄いお菓子だ。


・南無観椿

続いてはスタッフに販売中であることを教えてもらった、季節感最強のアイテム。「南無観椿」です。2個入りで2123円。送料込みだろう。

生菓子ゆえ元から消費期限は数日。冷凍便で送っているのだと思う。これは今の時期の奈良だからこそのお菓子。


奈良と言えば東大寺。その東大寺で3月1日から行われる修二会(しゅにえ)。特に「お松明」は全国ニュースで毎年報道され、一目見ようと全国から凄まじい数の拝観者が集う。

その過程で、本尊の十一面観音菩薩像に造花の椿をお供えする。その椿を模して、修二会の時期になると奈良の多くの和菓子店から、椿の形をした生菓子が出てくる

「お水取りの椿菓子」とか「修二会の椿菓子」と呼称されるものだ。それを制覇せんとこの時期に奈良に向かう和菓子マニアも珍しくない。

「南無観椿」は、大正2年創業の「中西与三郎」のもの。黄身餡と白粒餡のセット。


とても繊細で、触るとすぐに変形してしまう。厚い椿の花びらの表現に、堂々とした力強い美しさを感じる。


断面はこのようになっている。白餡のほうだ。


こっくりと厚みがある、しかし荒くはない甘さ。餡は一瞬で粒子に分解され、霞のように消えていく。いやあ美味いし上品なこと

本当は奈良で季節を感じながら食べたいが、東京でも食べられるのは正直嬉しい。ただ美味いだけでなく、奈良の伝統も味わえて2度美味しい。

参考リンク:奈良まほろば館
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼「みむろのもなか(901円)」。とにかく有名な最中。170年前から大人気だとポップに書かれていた。

奈良を代表する最中ということで人気の品だ。

サラッとした甘みが上品で、3個は一瞬だった。


▼「高山かきもち(350円)」。有名すぎて今さら感があるが、私は食べたことが無かった。おかきなんてどれも一緒ちゃうの? みたいに思っていたからだ。

フレーバーの種類が非常に豊富だが、初心者なのでスタンダードっぽい「ころもち」を選んできた。色んなものの旨味を使っているようだ。

軽やかサクッと、歯に張り付いたり、硬すぎて顎が疲れたりもしない、絶妙なイージーさがありますね。そういう細かいパラメーターの良さがまとまって、太い人気に繋がっているのだと思う。