2025年12月25日、クリスマスのこの日は、当編集部の最終出勤日であった。熱心な読者の皆さんならお気づきかもしれない。そう、ロケットニュース恒例の忘年会の日である。2021年以降、毎年開催しているサプライズ忘年会。昨年は主催者Yoshio主導で、なんと松屋を貸し切りにして忘年会を敢行!

そして迎えた今年も貸し切りである。それもコンビニのお店を貸し切って開催することとなった。何も知らずに参加するメンバーはどんな反応をするのか!? 実施した結果、遊び心に富んだ雰囲気最高の忘年会になったぞ! でも盛り上がりは……。

・2024年は松屋貸し切りだった


昨年はYoshio完全主導のもとで行われた。彼は自らアイディアを思いつき、「株式会社松屋フーズホールディングス」にアポをとって日程と時間を調整し、本当に貸し切りにしてしまったのだった。

私(佐藤)は初めて見た。お店のカウンター席が全部知ってる顔で埋まる光景を。おそらくこの先の人生で、2度と体験することのない出来事だろう。

この忘年会は意外と満足度が高く、好きなメニューで腹いっぱいになれる幸せを味わうことができた。


・今年の会場は……

そして1年を経て、最終出勤日の仕事を終えて、今年もみんなで出かけることになった。事情で参加できないサンジュン。それから今回は段取りに加わっている私とYoshioを除いて、みんなで目的地に向けて出発


先導役の羽鳥だけが場所を知っている。あとのみんなはどこに向かって行くのかすら知らなかった。

中澤「ここから遠いんですか?」

羽鳥「歩きと電車で40分くらい」

あひるねこ「結構あるな」


古沢「今年はどこでやるんすかね」

中澤「2年前のサイゼよりマシであることを願う」

古沢「そうっすね」

中澤「2年前、古沢くんはいなかっただろ。そうっすねじゃねえよ」


そして目的地の最寄の西武新宿線 井荻駅に到着。

御花畑「ここから歩いて5分らしいよ」

砂付近「雨降りだから近くてよかったですね」

御花畑「ただでさえ雨で気が滅入るんだから、せめてテンションの上がる店にして欲しいね」


原田「寒いっすね」

中澤「あったかいもん食いたいなあ」


そして一同は目的地に到着した。

羽鳥「着きました~。ここです」

中澤「え? ここ?」


原田「これはどういうこと?」


御花畑「まさか貸し切り?」


亀沢「なんじゃコリャ!?」

あひるねこ「意味わからんし(笑)」


砂子間「これは、え~と……。どうなんすかね」

古沢「とりあえず着いてよかった~」

和才「何なんすかね、コレ」


中澤「コンビニでやるってこと?」

あひるねこ「こんなコンビニないでしょ」

原田「でも中に商品並んでますよね」


あひるねこ「ちょっと待って、ここになんか書いてある」

中澤「本日貸切、よしおマート。そんなもんあるか!」

砂子間「寒いんでとりあえず入りましょう」


砂付近「結構普通のコンビニですね」

亀沢「ここを借りたってこと? 営業してる感じじゃないけど」


\\\ いらっしゃいませ! ///


Yoshio「よしおマートへようこそ! みんないっぱい買ってね!!」


説明しよう! ここは東京・井荻のコンビニスタジオ。今回はここを貸し切ってのコンビニ忘年会である。


コンビニ撮影専用のスタジオで、ダミー商品が棚に並べられている。雰囲気はコンビニそのものだ。



イートインスペースを備えており、スタジオ内は飲食可。


装飾品のディテールが細かく、ATMの上に掲げている取り扱い銀行の名前が、いかにもありそうなものになっている。そのほかおにぎりやコーヒーのPOPの造りも秀逸だ。


ドリンク冷蔵庫の裏にはバックヤードと事務所。弁当類のショーケースの裏にはメイクルーム。それからトイレは2つも完備している。


さらになぜかシャワールームまであった。ここはコンビニ仕様になる前から撮影スタジオとして利用されており、以前の名残りのシャワー設備は残してあるとのこと。


本題に戻ろう。到着したメンバーは全員が戸惑っていた。ここでどうやって忘年会をするのか、わからなかったからだ。

古沢「この棚にあるものは食べていいってことですか?」

Yoshio「いや、そっちのものはダミーだから食えないよ。食えるものはこっちにある」


Yoshio「こっちの値札の付いたのが、用意したものだよ」

あひるねこ「値札? おにぎり1個500円、高けえ!」

原田「まさかとは思いますが、金を取る気ですか?


あひるねこ「チューハイもビールも500円。ボッタクリかよ!」

砂子間「とりあえず飲めるから、その点はヨシとしよう」

Yoshio「あ、それノンアルだから。ここはアルコール禁止なので」

原田「忘年会なのにノンアル!?」


Yoshio「そっちにお菓子もあるからね」

和才「アポロチョコと特大のポテチが同額って……」

原田「実在したら確実に炎上するタイプの店ですね」


あひるねこ「このガチャは持ち込んだもんでしょ。1回100円で大当たりが1万円って、謎にこれだけ羽振りがいい」


中澤「いや、こっちも。先着5名に練馬大根0円だって。めちゃくちゃな店すぎる」


砂子間「まあいいっすわ。500円って書いてるけど、ホントはタダなんでしょ? このノンアルビールとおにぎりください」

Yoshio「いらっしゃいませ~! おにぎり1点、ノンアルビール1点」


Yoshio「1000円です。うちは現金のみなんで。袋、お付けしますか?」

砂子間マジで金取るのかよ、もうこの会社ダメかも……」


砂子間「しょうがない。はい、1000円」

Yoshio「ちょうどお預かりします」


Yoshio「……ってホントに取るわけないじゃない。お返ししますよ

砂子間「おお~、よかった~! ホントだったら今日が最後の忘年会になるところだった」


Yoshio「そうそう、このガチャ。みんなやってね、大当たりは1万円だから」


原田「100円で1万円ゲットできたらマジでアツい。仮に20回まわしても2000円だから、それでも8000円のプラス」

あひるねこ「原田さん、博徒の血が騒ぎますか?」

原田「え? ああ、まあ。そりゃね」


少しずつ状況を飲み込めたメンバーは、次第に食べ物や飲み物に手を出し始めた。


今年1年の仕事の振り返りや、来年に向けての目標など、普段はあまり話題に上がらないことなどをそれぞれ話しつつ、ノンアルドリンクを傾ける。


しかしながら、飲み会としてはイマイチ盛り上がって来ない。というのは、店内は無音。話し声以外に音はなく、全然気分が盛り上がらない……。


そのうち菓子をつまむのに飽きてきて、羽鳥は仕事をし始めた。忘年会なのに……。


御花畑はATMにもたれてうたた寝。亀沢はずっとスマホをいじっている。ここの一角だけ本物の深夜のコンビニみたいじゃないか……。


催しらしい催しがないなかで、古沢がガチャに挑戦し始めた。

古沢「絶対1万を当ててやる」

和才「古沢くん、もう結構突っ込んでるでしょ」

古沢「もう2000円くらい突っ込んでます」

和才「そこまで行ったら、もう当てるまで降りられないね」


古沢「あれ? これなんかこれまでと違う。これはもしや!?」


古沢「キタッ!」

御花畑「結構回してたよね。ついに来た?」

羽鳥「ホント? ハズレじゃないの?」


古沢「ほら、キターッ! やった!!」

中澤「こんなにうれしそうな古沢くんを見るのは初めてだ」

原田「先にやればよかった……」


古沢「あれ? 誰か来ました?」

佐藤時々、本物のコンビニと間違う人がいるらしい。間違えたのかな?」


佐藤「あ、違う。そう言えば、ピザ頼んだんだった」

原田「コンビニでピザ頼むなんて普通できないですからね」

砂子間「まだ腹減ってたから助かる」


佐藤「はい、ありがとうございます。ご苦労様です」

スタッフ「ありがとうございました~」


佐藤「ピザが来たら、一気にパーティっぽくなった」

あひるねこ「それだ、ここにはパーティ感がない。だから盛り上がんないんですよ」


ということで、やっと忘年会が始まった感じがしてきた。すでにみんながここに来て1時間半が経過し、そろそろ終わりを迎えようとしていたタイミングでだ。


イマイチ盛り上がらなかったのには、無音・ノンアルのほかにもう1つ理由があると考えている。それは「コンビニは長居に向いていない」ということだ。なぜかみんなずっとソワソワして、始終ウロウロしている様子。私自身もあっちに行ったりこっちに行ったりで、椅子があるのに、座ることもしなかった。

それはなぜか? 長居しづらい造りをしているからだ。そもそもコンビニは理由がない限り、長時間滞在する場所ではない。それをみんなが潜在的に認識しているので、ジッとしていられないのではないだろうか?


そんなわけでコンビニ忘年会は終了

段取りの段階で、私とYoshioは大いに盛り上がっていたのだが、フタをあけてみたら、まったく盛り上がらなかった。お酒を飲めなかったことも要因としてはあるが、先に挙げた「コンビニは落ち着かない」という要素が多分に影響していたと思う。

この後、席をかえて最寄の「や台寿司」で、今度はお酒ありで2次会をしました。

ということで、2025年も皆さん、お世話になりました。来年はどうなるか? 来年の忘年会にもご期待ください!


・今回利用した施設の情報

名称 井荻コンビニスタジオ(プラネアール)
住所 東京都杉並区井草3-14-14 カーサ・プリメーラ 1F
時間 24時間撮影可能(深夜早朝料金あり)

参考リンク:プラネアール
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼スタジオのコンビニ再現度は極めて高い




▼動画もあるよ!