
西インド・ゴア地方発祥のカレー「ポークビンダルー」に絶賛ドハマりしている私は、ここ最近ポークビンダルーを食べまくっている。そしていつもポークビンダルーを食べ終えて思う……「ポークビンダルーの正解がわからない」と。
同じ料理、同じ種類のカレーなのだから似たような味が多くても良さそうなのに、ポークビンダルーの個性は実に様々。今回訪れた西荻窪の『カレーショップ フェンネル』も、過去とは全く違うポークビンダルーであった。
・ポークビンダルーとは?
まずはご存じない方のために「ポークビンダルー」について説明しておきたい。ポークビンダルーとはインドのゴア地方発祥のカレーで、最大の特徴は酢(ワインビネガー)を使用していることだ。
平たく言えば “すっぱからいカレー” であり、そのインパクトはカレーの中でも最高レベル。恐ろしいほどの中毒性を持つ、唯一無二のカレーなのである。
どうかこの素晴らしきカレーを多くの人に知って欲しい! 沢山の人にポークビンダルーを食べてもらいたい!! もし美味しいポークビンダルーをご存じの方は、ぜひこちらから教えてください。
・10食目
さて、ここでこれまで食べて来たポークビンダルーを振り返ってみよう。
東京駅「エリックサウス」
酸味は弱めでニンニクがガツンとインパクト系。ポークビンダルーはレギュラーメニューではない。
渋谷「ポークビンダルー食べる副大統領」
強めの酸味。ビネガーキレキレ系のポークビンダルー。
高円寺「くじら」
突き抜ける酸味と辛さ。高円寺らしさ全開の尖ったポークビンダルー。
中野「レインボウスパイス」
まろやかな酸味と強い旨味。誰が食べても絶対に美味しいビギナー向きのポークビンダルー。
代々木公園「スパイスポスト」
とてもとても淡い酸味と辛味。まるで聖母のような優しいポークビンダルー。
高円寺「negombo33」
まるでフルーツのような爽やかな酸味。現在のところポークビンダルーのド真ん中的な位置づけ。
末広町「モチヅキカレー」
辛さ控えめ & 主張の強いスパイス。思い出すだけでヨダレが出そうな酸味しっかり系ポークビンダルー。
大塚「カッチャルバッチャル」
信じ難いほど芳醇なスパイス。まるでオーラをまとったかのような甘酸っぱいポークビンダルー(レギュラーメニューではない)。
中野坂上『SpiceCurry FIFTY』
ほど良い酸味に加え、独特のビターな風味が特徴的なポークビンダルー。ダルとの相性も抜群。
どのお店のポークビンダルーも個性豊かで、食べれば食べるほどポークビンダルーの正解がわからなくなっている。もちろん系統くらいは同じポークビンダルーもあるが「同じ味」は1つも無いと申し上げていいだろう。
・西荻窪へ
さて、今回訪れた西荻窪の『カレーショップ フェンネル』もその例に漏れず、過去のポークビンダルーとは明らかに違っていた。というのも、フェンネルのポークビンダルーはとにかく辛いのである。
フェンネルを紹介してくれたのは高円寺「negombo33」のご主人で「辛いのが大丈夫ならオススメです」とは聞いていた。その言葉に偽りはなく、辛さに関しては高円寺の「くじら」と並ぶ過去最高レベルであった。
違いは「辛さとすっぱさ」のWパンチが特徴的なくじらに対し、フェンネルのポークビンダルーはほのかな酸味であること。辛いのにわずかな優しさすら感じる、まろやかな口当たりも印象的だ。
さらに言うとフェンネルのポークビンダルーは肉がめっちゃウマい! やわらかく煮こまれた豚肉はプリプリの食感で、おそらくどのカレーに入っていても「肉がウマい」と感じることだろう。
辛さレベルで言うなら激辛までは行かずとも確実に「大辛」はあった。ヒィヒィ言うほどの辛さとしっかりとした旨味、さらにはほのかな酸味がウマいのがフェンネルのポークビンダルーだ。
なお、ポークビンダルーの価格は1300円。限定メニューではなくレギュラーメニューとして取り扱われている。ポークビンダルーの正解はいまだにわからないが、いずれも「本当に美味しい」ことだけは間違いない。
・今回訪問した店舗の情報
店名 カレーショップ フェンネル
住所 東京都杉並区松庵3-37-22 西荻マノン 2F
時間 11:30~19:00
定休日 月火(祝日は営業)
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.