ライターの表現力をためす企画「表現王選手権」。今回もテーマに沿ったキャチコピーを編集部メンバーに考えてもらった。きっと誰もが納得する言葉を紡いでくれた……はず。

さて、今回のテーマは「映画館」だ。スマホや配信サービスが普及する以前は、映画を観るとなったら映画館に行くしかなかった。最近は自宅でも十分に作品を楽しむことができるのだが、それでもあのスクリーンと音響の迫力は、映画館に行かなければ味わうことができない。

ということで、今回もコピーの優劣は皆さんの投票で決まる! 投票、よろしくお願いします。また最後に次回のお題のコピー公募も記しているので、最後までお読みください。

・前回の答え合わせ

まずは前回「ドライブ」の答え合わせだ。「梅干し」の回では、一般作品が上位に食い込み、事実上、編集部メンバーは惨敗。私は下から2番目というひどい有様だった……。今回も一般作品が上位に入っている。早速結果をお伝えしよう。

それぞれの名前の後ろの星印は、これまでの1位の獲得回数を示している。


1位 「思い出を、後部座席に乗っけて帰る。」 砂付近☆
2位 「家族と→独りで→恋人と→家族で 自分の人生もドライブなんだ。 」 blueknightさん
3位 「目的地は無し。目的地探し。」 P.K.サンジュン☆☆☆
4位 「好きな人の隣は渋滞さえ嬉しい」 御花畑マリコ☆
5位 「この道の先には何があるのか? 楽しむからこそ先に行ける」 中澤星児☆
6位 「ハンドルを握ると本性が現れる」 砂子間正貫
7位 「心の給油所を求めて」 古沢崇道☆☆☆☆
8位 「夏の夜、夜風とドライブ、最高か。」 Yoshio
9位 「選曲のセンスが問われる試験場」 原田たかし☆☆
10位 「見えないけれど、横から後ろから笑顔が聞こえる。」 GO羽鳥
11位 「愛車はオートマ、ぼくの冒険はマニュアル。 」 kitchenchickenさん
12位 「カーラジオから「ラジオ深夜便」、日付と県境をまたいであの頃へ」  佐藤英典
13位 「罪悪感0の逃避行」 和才雄一郎☆
14位 「貴方と紡ぐ最高の想い出」 イナバタクヤ
15位 「君とのドライブの目的地は 僕らにとっての通過点 」 へらちょんぺさん
16位 「地平線に届くように限界まで振り切る行為」 あひるねこ


以上の結果となった。今回はblueknightさんが2位に食い込み、編集部メンバーを圧倒している。砂付近が1位を獲得して、辛くも首位を守ったが、一般の方の作品が1位を獲得する日も、そう遠くはなさそうだ。ウカウカしていられないな……。


さて今回選ばせて頂いた3作品についても、簡単に解説したい。

blueknightさんの「家族と→独りで→恋人と→家族で 自分の人生もドライブなんだ。 」は、人生をドライブになぞらえることはよくあるのだが、そのプロセスを同乗者で表現しているところが上手い。家族に連れられていったドライブは、独りの時間を経て、伴侶と、そして家族と発展していく。この短い文章で人生を描いていた秀逸な作品だ。

kitchenchickenさんの「愛車はオートマ、ぼくの冒険はマニュアル。」、個人的にとても好きな作品。車はアクセルを踏めば走っていくけど、冒険はただ黙って座っているだけでは、事は起きない。自分の手足を使い、頭で考えて進む様子はまさにマニュアル車のごとし。車と冒険の対比が素晴らしい。

へらちょんぺさんの「君とのドライブの目的地は 僕らにとっての通過点」もまた、私が気に入って選出させて頂いた。ドライブをへて2人の人生は同じ道を走り出すかもしれない。もしかしたら、そのドライブでプロポーズを控えていたかもしれないこと。そんなことを想像させてくれたコピーである。

今回も秀逸な作品が多く選ぶのに大変苦労した。そしてドライブが皆さんにとってどんな意味を持つかも知ることができた。ご応募、ありがとうございました。


・今回は「映画館」

さて、今回は「映画館」である。「映画」とするか「映画館」とするか迷ったが、映画の指し示す物事の幅が広すぎたので、今回は施設としての映画館をテーマに選んでいる。

映画館もドライブに近いニュアンスがあるかもしれない。というのは、デートスポットとしては定番なので、そういう恋愛模様を匂わせる内容を想起するかもしれない。それからドライブと同じように家族、取り分け子どもとのエピソードが浮かぶ可能性もある。

意外と捉えどころのないテーマをどうやって形にするのか? 今回の応募数は約170作品。ドライブを上回る数のご応募を頂いている。ドライブよりは考えやすかったのかもしれない。今回は編集部メンバー13作 + 一般3作の計16作品だ。その内容は以下の通り。


1.「ポップコーンを1番美味しく食べる場所」


2.「やっぱりここでしか味わえないものがある」


3.「想像と現実が行き交うターミナル駅」


4.「配信は視聴、映画は体験」


5.「「なんでそうなるの?」と何度も娘に尋ねられ、話は頭に入ってこなかったけど、娘との距離はずっと近づいた」


6.「作品と共に “誰と観たか” も思い出に。」


7.「その暗闇はすべての感情に続くトンネルなのだ」


8.「歌が終わっても続くエンドロールが永遠に感じられる」


9.「トトとアルフレードの話の続き、ここにあります」


10.「迫りくる圧巻の映像! 音響!! そして尿意!!!」


11.「多人数の孤独なエンターテイメント」


12.「いちばん手軽な、別世界」


13.「起きたままでも夢を見られる」


14.「弾けるほどの、大迫力を浴びに来た!」


15.「最近の映画館の音響が立体すぎて音楽映画をスクリーンで見るのが大好きになりました」


16.「別の人生に思いを馳せる2時間」


・そのほかの優秀な作品

今回の投票も、「これは!」と思う3作品を投票対象に入れさせて頂いている。そのほかにも良いと思うものが多数あったので、そのうちから3作を紹介させて頂こう。


◆ばかのらさん 「銀幕は異世界へのトビラ。さあ、物語が動き出す!」

今回ご応募頂いた作品で、スクリーンを「銀幕」と表現したものは、数作しかなかった。そのうちのひとつがこのコピー。昔の映写幕には銀被膜を塗ったものが使われていたため、そもそも「silver screen」と呼ばれていた。それが転じて、現在では映画のことを指す。

この言葉にノスタルジーを感じると共に、映画の持つエンターテインメント性が引き出されている。小型の映画館のキャッチコピーとしてよく馴染みそうだ。


◆たつみさん 「ここは、現実のとなり。」

映画に没頭すると、しばし現実を忘れることができる。ささやかな現実逃避体験を提供してくれるのも、映画館の魅力のひとつだ。そう遠くない別の世界、まさに現実のすぐそば、それをひらがなで「となり」と書いている点が良い。角ばった漢字の「隣」よりも、親しみが感じられる。


◆ぽんさん 「主人公になりに行く」

映画は鑑賞するものだ。だが、同時にただ観るだけではなく、体験するものでもある。ただ座っているだけかもしれないけど、心は作品に入り込み、主人公に感情移入。時にアトラクションのような興奮すら覚える。そう考えると、映画館は「主人公になれる」テーマパークなのかもしれない。


さて、今回の投票結果はどうなるのだろうか? 編集部メンバーは1位の座を死守できるのか、それとも……。

引き続き、皆さんにご参加頂きたいので、ご応募よろしくお願いします。次のテーマは「運動会」で行きたいと思います。そろそろコレの季節ではないかと思うので、運動会で行きましょう。

我こそは! という人は、ぜひ応募して頂きたい。ご応募、お待ちしてます! そして、先に挙げた16作品への投票もお忘れなく! よろしくお願いします。

執筆:佐藤英典
イラスト・Photo:Rocketnews24

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