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【ケバブ350円】90年代に青春を過ごした私が池袋『EFE KEBAB』に感じる懐かしさ → こんなストリートフード無くなったよなあ

2025年9月4日

カルチャーの匂いが濃い池袋の東口側。世界に誇るアニメイト池袋本店を筆頭としたサンシャイン60通りからの雰囲気とターミナル駅の都市感がミックスされた駅前は雑多で賑わいがある。

そんな池袋東口の西武線側、横断歩道を渡ってすぐにあるのが『EFE KEBAB』だ。なんと、ここ、ケバブ1個が350円で販売されているのである

・激安

秋葉原とか渋谷は歩けばケバブ屋に当たるので、出会いがしらのケバブ屋で買うことがほとんどだった私(中澤)。私じゃなくとも、ケバブって店名を把握せずに買ってる人が多いんじゃないかと思う。そもそも店名が読めないこともあるし。

だが、1個350円はそんな私が店名を覚えるレベルの安さだ。渋谷のケバブ屋だったら1個700円くらいするからな。安くても1個500円くらいはするイメージである。

・普通にケバブサンド

購入してみてもガチで350円。だからと言って何か足りないというわけではない。ピタパンにはキャベツもチキンもしっかり入っていてソースの味含めどこに出しても恥ずかしくないケバブサンドであると言えよう。

重さを計ったわけではないので厳密に肉量などに差があるのかまでは分からないが、少なくとも食べていて物足りなさは感じない。なんなら普通に「ケバブ食ったなあ」と満足できるボリュームがある。

・実はこの店

まあ、ケバブマニアに言わせるとこのお店の質を疑うのも愚問と言われるかもしれない。なぜなら、『EFE KEBAB』の看板にはケバブグランプリ3連覇の文字が輝いているから。からあげグランプリ金賞とかじゃなく優勝だ。しかも3連覇である。

公式サイトによると、2015年、2016年、2017年のケバブグランプリで優勝し、その後は殿堂入りとなっているという。言われてみれば私が取材に行った2016年のケバブグランプリで大行列になっていたのが『EFE KEBAB』だった。

浦和支店しかなかったあの時の『EFE KEBAB』が、2018年に2号店を荻窪にオープンし、2020年阿佐ヶ谷に3号店をオープンし、池袋にまで進出していたのは胸アツである。ケバブ屋にも歴史あり。ちなみに、池袋にオープンしたのは2023年で、そこそこここでやっているためか風景に馴染んでいる。

・ストリートフードに思うこと

店の前で食べながら様子を伺ってみたところ、若者が通りがかりなどのついでに買っていくのが多く見受けられた。その他の人の買い方を観察していて感じたのは、「とりあえず1個買ってから考える」ができるフードであるということ。

池袋に来たらとりあえずこれを食べてその後何するかを考える。350円という価格設定はそれができる価格帯と言えよう。「食べるか!」というちょっとした気合が必要ないのである。

私が高校生だった90年代はこのポジションがマクドナルドであった。あと、大阪だったのでたこ焼き屋台もそうだ。アメ村に行ったら、とりあえず駆けつけ一杯、マクドナルドかたこ焼きを食べていたものである。でも、今やマクドナルドもたこ焼きもとりあえず買うコスパではなくなったように思う。

手間がかかっていてその分高いストリートフードはいっぱいあるんだけどな。そう考えると「ここに来たらとりあえずこれ!」っていうストリートフードって無くなったなあ

90年代の当てもなくダラダラできる街が好きだった私としては、『EFE KEBAB』に懐かしさのようなものを感じてちょっと泣いた

大都市でもこういう店が進出しているところが、今「若者の街」と呼ばれる由縁なのかもしれない。雑多さの中を冒険する。あの頃のぼくらと言ったらいつもこんな調子だった。心のベスト10第1位はこんな店だった。

・今回紹介した店舗の情報

店名 EFE KEBAB 池袋東口店
住所 東京都豊島区南池袋1-22-3
営業時間 10:00~00:00
定休日 無休

参考リンク:EFE KEBAB
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼350円だけど肉はしっかり入ってる

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