
栃木県足利市をドライブしていたら遠くにゴルフ練習場を見かけた。こんな場所に打ちっぱなし? と思ったら、ネットの上部に「天然温泉」と書いてある。一体どういうことだろうか。
不思議な光景に吸い寄せられるように向かった結果、そこは知る人ぞ知る伝説の温泉施設だった。夢ではない……昭和レトロの限界を突破した廃墟のような現役温泉がいきなり登場。ひさしぶりにゾクゾクしたので報告したい。
・足利鹿島園温泉
足利駅から車で15分ほどの場所にある足利鹿島園温泉。
入口の看板は超巨大でバブル期を思わせる派手さがある。このままゲートをくぐれば、活気あふれる温泉リゾートが待ち構えているかと思いきや……
館内に足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。奥へと続く薄暗い廊下……シンと静まり返った空間は人の気配があるのかどうかすら分からない。営業中のはずだが、心霊スポットを歩いているかのような緊張感に包まれた。まるで戦慄迷宮である。
・押し寄せる不安
さらに不安をかき立てたのが「源泉井戸ボーリング風景(平成10年6月)」のパネルだ。紅白幕が張られ、大規模な足場とクレーンがそびえ立ち、盛大なセレモニーの熱気が写真からにじみ出ている。
まるでアフリカの成人式かバンジージャンプ台……当時は「明るい未来が始まる!」という勢いがあったのだろう。今は祭りの後の静けさ。不安が倍増する。過去の栄光が逆に怖い。しかし……
営業していた。受付で入館料800円とタオル代200円を支払うと、優しいおじいちゃんから「滑るから転ばないようにね」「忘れ物のないように」「気をつけて」と3度も念押しされた……え、そんなに危険な施設なんですか?
・大広間
そのまま温泉エリアへは向かわず、いったん館内を見学することに。廊下を進んで休憩室へ。
やたらと広い大広間に置かれていたのはポツンと並ぶ長机、そして天井にはカーテンレールらしき骨組みが走っている。
奥には忘れ去られたUFOキャッチャーらしきゲーム機……「とりほうだい」の文字が少し切ない。今でもここで宴会やディナーショーが開かれているのだろうか。
広間を出ると、年季の入りまくった「冷水タンク」が登場。「昭和の町内会からタイムスリップしてきました」と言われても信じてしまうほど完成されたビジュアル。
公衆電話コーナーもあった。スマホ全盛の時代にここだけ時空が切り取られたかのような光景。ただタクシーと代行業者の番号が並んでいるので現役であることが分かる。宴会だけでなく、風呂上がりにビールを飲んだ人が代行を呼んでいるのだろう。
・展望風呂
さて、大浴場は地下1階だが……2階に「大展望風呂」があるらしい。面白そうなので先に2階を見ておくことにした。
サンダルを履いて屋外の渡り廊下を歩いていくと……ただならぬ雰囲気を放つ部屋(男湯)を発見。ここが展望風呂か。
ドアを開けると、そこはゴルフ練習場の控室を改造したような広い浴場だった。脱衣所と浴槽が同じ空間にあるスタイルで、窓の外に広がるのは……当然、打ちっぱなし場。ゴルフネットを眺めながらの展望風呂はかなり珍しい。
衝撃的だったのは、1階ではほとんど人を見かけなかったのに、展望風呂の浴槽にはおじさま方が5人ほど無言で浸かっていたこと……廃墟のような空間でおじさま方が5人も並んでいる光景は、異世界に迷い込んだかのような不気味さが感じられた。
・宴会場のルール
2階にもカラオケ付きの宴会場があった。畳敷きの部屋に置かれたカラオケ機材とステージ、そして壁には……
「カラオケ予約等で不正をしたお客様は出入り禁止に致します」なる迫力満点の張り紙。カラオケ予約の不正とは……もしかして割り込み予約をしたら出禁になるのだろうか。とにかく、数々の事件の痕跡が壁からにじみ出ていた。
それではいよいよ地下の大浴場へ。
・男湯
大浴場はヤバかった。さすが平成初期に盛大なセレモニーをしただけのことはある。100%源泉かけ流し、浴槽の縁からドバドバと惜しげもなくお湯があふれ出していた。
豪快に注がれる温泉を目の当たりにすると800円は安く感じる。相変わらず古びているし天井には換気扇のダクトや配管が走っているが、温泉があふれ出ているのはやはり強い。サウナ完備で、水風呂もぬるめながらきちんと用意されていた。
館内の怪しげな雰囲気とは裏腹に温泉の実力はガチ。鹿島園温泉の真価を感じた瞬間である。利用者もそれなりに多かった。まあでも温泉に浸かるだけなら、2階の打ちっぱなし展望風呂の方が気持ち良いかも。
そして地下1階にも休憩室があった。
静まり返った空間はやはり廃墟感を強めているものの、テーブルに置かれていたのは大谷翔平選手が一面のスポーツ新聞……タイムスリップはしていないようだ。
・宿泊可能
そういえば宿泊もできるらしい。1泊3000円から泊まれて最大70名まで宿泊可能とのこと……社員旅行できますね。やや不気味かもしれないが「安く温泉に入れる穴場」と考えることもできる。
ちなみに食堂もありましたよ。ただ真っ暗だったので今回は利用せず。メニューが豊富だから機会があれば温泉と食事をセットで半日コースで予定を立ててみてはどうでしょうか。
・ヤバかった
まとめると、とにかく衝撃だった。温泉そのものの力強さはもちろんだが、廃墟のようで廃墟ではないあの空気感は他ではなかなか味わえないだろう。非常にいい意味で「廃れた健康ランドの究極の形」だと言える。
怖いのに不思議とまた行きたくなる……そんな温泉に興味があれば体験すべし。しかも21時以降(閉館は23時)は夜間割引で入館料が半額の400円になるらしい。挑戦するならその時間帯もオススメ。てなわけで、現場からは以上です!
・今回ご紹介した施設の詳細データ
名称:足利鹿島園温泉
住所:栃木県足利市大沼田町2149(毛野新町)鹿島園ゴルフ練習場の裏
時間:9:30〜23:00
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
砂子間正貫



































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